【ニュースのフリマ】東京五輪の最高視聴率候補

2019年04月19日 13時26分

 2020年東京五輪の競技日程が発表され、あの記録が更新されるのかどうかも関心を呼ぶところだ。1964年東京大会のバレーボール女子決勝戦(日本対ソ連)で記録された66・8%のスポーツ中継最高、さらには63年の紅白歌合戦での81・4%の歴代最高を上回る視聴率がマークされるか否か。(視聴率は関東地区、ビデオリサーチ調べ)

 時差のない国際スポーツ大会は高視聴率が望める超優良ソフト。64年東京では開会式が61・2%をマークしている。サッカーW杯の02年日韓大会の日本対ロシアは66・1%と、「東洋の魔女」金メダルの64年バレー女子決勝の伝説的数字に迫った。

 とはいえ時代の流れで国民の関心が多様化し、スポーツ以外も含めて突出した数字はかつてのようには出にくい。日本選手の活躍に沸いた98年長野冬季五輪では、最高を示した開会式は35・8%にとどまった。その次がジャンプ・ラージヒル(船木和喜が優勝、原田雅彦が3位)の28・7%で、語り継がれるジャンプ団体の日本金メダルはそれより低い。清水宏保が金メダルを獲得したスピードスケート男子500メートルは18・2%と報道されている。

 時差なし、もしくは少ない海外五輪としては昨年の平昌冬季大会が直近となる。最高は羽生結弦が2連覇を決めたフィギュアスケート男子フリーの33・9%で、開会式の30・1%がそれに次ぐ。日本が1時間早い北京での08年夏季大会では「上野の413球」が語り草のソフトボール決勝が30・6%で最も高い。北島康介が2大会連続の2種目制覇を達成した競泳男子200メートル平泳ぎは19・4%だった。前出の長野五輪ジャンプ団体も平日昼に行われた。

 こうした前例からザックリ導き出される高視聴率ファクターは(1)団体競技、(2)夜間開催、(3)休日となる。本来ならもっと高い数字が出そうな北京の北島のケースは平日昼間の生放送だった。「ニッポン!」コールで盛り上がりやすいのは団体戦で、それは64年のバレーや08年のソフト、さらにはサッカーが証明済み。

 そこで2020東京の日程を見ると、条件を満たすのは平日ながら夜間のソフトボール決勝(7月28日午後8時)、土曜夜の野球決勝(8月8日午後7時)とサッカー男子決勝(同日午後8時半)が該当する。もちろん勝ち進まなければならないが、その舞台にたどり着けば高視聴率は約束されたようなもの。女子バレーは決勝が日曜だが午後1時半のため、微妙なところか。

 個人競技でもチーム戦がある体操の男子団体決勝(27日午後7時)や柔道の混合団体決勝(1日午後5時)も高視聴率イベント。卓球の女子団体決勝(6日)と男子団体決勝(7日)も平日だが、午後7時半開始はテレビ観戦に向いている。陸上の男子400メートルリレー決勝(7日午後8時)も同様だ。

 個人競技の場合は、日本選手として史上最高レベルの成績がかかる場合や、選手個人の人気次第では数字がハネ上がりそう。テニスの錦織圭や大坂なおみが出場して優勝する、あるいは伊調馨のレスリング女子5連覇、内村航平の体操男子個人総合3連覇。かつてなく高レベルのランナーが揃った陸上男子100メートルも五輪初の決勝(2日午後7時)は、日本選手がスタートラインに立つだけで注目度が激増するだろう。

 大衆の共感はアスリートのストーリー性や快挙の度合いも左右される。競技復活ながら次回はない野球にソフト、「日本人が世界でここまで」と感動させるのは陸上短距離。お家芸の体操も目が離せない。このあたりから「東洋の魔女」級の高視聴率が飛び出すか…。

(渡辺 学)

関連タグ: