【ニュースのフリマ】竹田会長退任が〝朗報〟とみられる面々

2019年03月15日 23時16分

 16日の首相動静が何とも意味深だ。

 正午前、都内のホテルで開かれた萩生田光一・自民党幹事長代行の長女の結婚披露宴に出席後、午後2時18分に私邸へ。同59分、2020年東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長(元首相)と面会し、3蒔50分に森氏が退出している。

 森氏は安倍晋三首相にとって、小泉純一郎元首相とともに政治の師の1人。とはいえ土曜日にわざわざ私邸を訪れたのは、世間話のためではなかろう。推測だが、にわかに噴出した日本オリンピック委員会(JOC)会長の竹田恒和氏の退任情報で何らかの報告を行ったのではないか。当時すでに「退任不可避」報道が続いており、森氏も情報を持っていたとも考えられる、

 森氏の著書「遺書 東京五輪への覚悟」にある竹田評が興味深い。「とても立派な方です」として「争いごとも嫌い」「円満な人」「外国からもプリンスとして評価されているようです」と前置きした上で、「竹田さんは象徴として座っているだけで何もしない」とバッサリ。「床の間に座ってもらうにはふさわしい人かもしれないが、自分の判断、意志でJOCを動かしたことはないのではないか。この人がオリンピック開催国の日本のスポーツ界を代表して居られるのだろうか、と疑問に思うようになりました」と続けている。森氏は日本体育協会(現日本スポーツ協会)会長時代、JOC理事だった。

 この竹田評が記されたセクションのタイトルは「JOCではオリンピック招致はできない」。そもそも、失敗に終わった2016年大会の招致当時も含め、JOCに厳しい物言いをしていたのは森氏の盟友・石原慎太郎元都知事だ。石原氏はことあるごとにJOCをヤリ玉にあげ、無能呼ばわりすることもしばしば。名指しこそしなかったが、竹田氏ら幹部を指していたことは間違いない。

 そんな石原氏がお気に召さなかったもう1人が、16年大会と20年大会の招致に携った元JOC幹部。豊富な海外交流経験から、各国要人にあいさつする際に「ハグ」をするよう石原氏に勧めた、ところが石原氏は「何で知らない人とそんなことをしなければならないんだ」と不満を示し、ひいては元幹部への感情もよからぬものになったとみられる。それが影響したかどうかは不明だが、森氏の存在感が大きくなった20年大会の招致ではある肩書きが変更になっている。さらに、森氏がトップに就いた組織委の役員に元幹部の名はなかった。一連の処遇は森・石原ラインの影も感じさせる。

 前出の著書で森氏が猪瀬直樹氏を批判していることは過去に小欄に書いたが、猪瀬氏は都知事を辞め、関係よからぬ小池百合子現知事も政局的なパワーを失っている。そして20年大会招致でのワイロ疑惑で捜査対象になった竹田氏も権力を失うとなれば、森氏や石原氏には〝朗報〟ではなかろうか…。