【競輪命】川崎競輪のこれから、そして佐藤水菜はどこへ行く

2019年12月23日 17時43分

左から郡司浩平、福田紀彦川崎市長、佐藤水菜、対馬太陽

 ついに川崎競輪所属の選手が夢の舞台に立つ。「KEIRINグランプリ2019」に出場する郡司浩平(29)、そして「ガールズグランプリ2019」に出場する佐藤水菜(21)だ。神奈川所属の選手としては高木隆弘(50)が2001年大会に出場して以来になる。日本競輪選手会の神奈川支部長の対馬太陽(40)が「ヤンググランプリの松井宏佑(27)を含め、それぞれのグランプリに選手が出る」と燃える事態で、神奈川のファンからすれば鼻血が噴き出そうなシリーズになる。

 郡司と佐藤は23日、川崎市役所を訪れ、福田紀彦川崎市長(47)を表敬訪問した。郡司は「川崎競輪の代表として精一杯走りたい」と燃え、佐藤も「初出場最年少であたふたする場面もあるとおもうが、いい結果を残せるように」と意気込みを語った。

 福田市長は「川崎所属の選手がGPに出るのは初めてと聞きました。ぜひ、いい結果を残してください」と川崎愛で応援を約束。続けざまに「食事には気を使っていますか」「緊張はしますか」などと質問攻勢に出た。佐藤が「レースで緊張したことはないんです。楽しもうと思っていて、いつも楽しいです」と答えると、福田市長は「すご! そういう人間になりたいな~」と驚愕していた。

 郡司と佐藤はこの日、台風19号の被災地支援として31万円を川崎市に寄付した。今年は各地で災害が多く起こり、こうして競輪選手が地域への貢献を行うことは、まさにスポーツ選手としての大事な使命でもあるのだ。

 川崎競輪は来年度、2021年2月に全日本選抜(GⅠ)を開催する。古くはダービー(日本選手権)とオールスターの開催があったが、1965年のオールスターを最後に現在のGⅠ格のレースは行われていない。当時はあまりの競輪ファンの熱さ…などの影響もあったが、現在は待望ともいえる当地での開催になる。

 郡司は来年もGP出場(もちろんGⅠ制覇で)を決め、S班としてこの大会に出場、そして地元優勝が期待される。ヤングGPを走る松井は競輪はもちろん、競技ではナショナルチームの主役としての活躍も待たれる。2020東京五輪の出場は難しい状況だが、24年パリ五輪はメダル獲得も含め、可能性は十分ある。

 そして佐藤は…。「う~ん。迷っているんですよね」。ナショナルチームの強化指定選手となり、パリへの道を模索するのか。短距離種目に限るが、男子のナショナルチームはそれぞれが各種目でトップを競えるほどのメンバーが揃っている。女子は小林優香(25)と太田りゆ(25)が2人で奮闘しているが、層の薄さは否めない。

 チームとして世界と戦っていくことを長期的に見据えるためにも、佐藤の挑戦は大きな意味を持つと思われるが…。立川競輪場でのGPシリーズ後、それぞれにどんな未来が待っているか。

☆前田睦生(まえだ・むつお) 九州男児。ヘアスタイルは丸刈り、衣装は吊るしのスーツで全国各地の競輪場の検車場を闊歩している。日頃の不摂生を休日の多摩川土手ランニングでなんとかしようとしている姿の目撃情報多数。