【競輪命】W杯第3戦の香港にあった現実

2019年12月11日 15時58分

新田祐大がいるステージは世界の中心だ

 世界と戦うとは何か――。自転車競技のトラック種目、男子ケイリンは2020東京五輪での金メダルを目標として堅実な歩みを進めている。河端朋之(34)、新田祐大(33)、脇本雄太(30)が国際自転車競技連合(UCI)のケイリンのランキングで1位をたらい回しにするなど、高いステージに皆がいる。

 11月末から香港で開催された「2019―2020ワールドカップ第3戦」の男子ケイリン決勝は、
新田祐大
マティエス・ブフリ(オランダ)
ハリー・ラブレイセン(オランダ)
アジズルハスニ・アワン(マレーシア)
ジェイソン・ケニー(イギリス)
カラム・サウンダース(ニュージーランド)
 というまさに世界トップクラスのバトルとなった。

「みんながみんなを警戒し、一人だけが完全にノーマークになってしまった」(新田)

 現世界チャンピオンのラブレイセンを後方に置き、リオ五輪同種目の金メダリストのケニー、同銀メダリストのブフリらがお互いの動きを探る。アワンも世界選優勝実績を誇る。もちろん「NITTA」も彼らの標的であり、同じく新田も彼らを打ち破るために組み立てた。

 結果は先行したケニーの真後ろにいて“無風”だったサウンダースが抜け出して優勝。新田は5位に終わったが「勝てておかしくなかった」。今ある現実、力関係は、このメンバーで勝っても何も不思議ではない、というものだ。つまり、東京五輪でも――。

 日本勢がいる位置は、世界に挑むのではなく、挑み挑まれ、という場所だ。国際大会に参加する、メダルを目指す、ではない。世界と戦うということは、優勝をつかみ取る、ということだ。極度の覚悟と、結集する思い、そして責任…すべてを日本代表選手として全うしているのだ。

 新田は今月の第4戦(ケンブリッジ、ニュージーランド)のスプリントで自身初の銅メダル、そしてチームスプリントで金メダルを手にした。脇本は第4戦では結果を残せなかったので、13~15日の第5戦(ブリスベン、オーストラリア)巻き返しに燃えているところだろう。

 新田と脇本の2人は今月30日の「KEIRINグランプリ2019」を控える。今年はまた一つスケールの違う世界を見せてくれるだろう。

☆前田睦生(まえだ・むつお) 九州男児。ヘアスタイルは丸刈り、衣装は吊るしのスーツで全国各地の競輪場の検車場を闊歩している。日頃の不摂生を休日の多摩川土手ランニングでなんとかしようとしている姿の目撃情報多数。

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