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プロフィール
渡辺学
1986年入社。ゴルフ担当を経て89年からテニス、ラグビー、アメリカンフットボール、アマチュアレスリング、陸上、水泳、サッカーなどの取材に携わった。五輪は夏季2回、冬季3回を現地取材。2001年に運動部デスク、06年から文化部で社会面デスクを担当後、専門委員などを経て現在法務広報室長。早大卒。
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霞が関ビル50年と映画「超高層のあけぼの」
2018年04月16日

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 先週12日、竣工50年を迎えた東京・霞が関ビルの上棟式とみられる写真が見開きになった三井不動産の広告が全国紙に掲載された。地上147メートル、36階建ての当時としては日本初の超高層ビル。並べられた椅子に座った出席者がビル上階を仰ぎ見た上棟式は、このビル建設をセミドキュメンタリー風に描いた劇映画「超高層のあけぼの」にも一場面として出てくる。

 1969年5月に公開されたこの映画は、池部良、木村功、佐野周二、丹波哲郎、佐久間良子、新珠三千代ら豪華キャストで製作された。難工事を担った鹿島建設のウェブ資料文書によると、撮影は霞が関ビル完成後に始まったため、その多くは67年7月に着工していた東京・浜松町の世界貿易センタービルの建設現場で行われた。モデルとなった霞が関ビルの着工は65年3月。東京五輪から半年足らずの時期だった。映画には、2020年五輪を控える現在の視点から興味深いセリフが盛り込まれている。

 

 「オリンピックの後の景気の下降が響いているんだろうな」

 「この景気下降はオリンピック・ブームの反動」

 

 これは、建設途中、入居の申し込み状況が芳しくないことに、八代目松本幸四郎演じる三井不動産社長が胸を痛める場面で発せられたもの。後に松本白鸚を名乗る幸四郎は、今年正式に二代目白鸚を襲名した九代目幸四郎の父。この八代目がいかにも包容力たっぷりの企業トップを好演し、一時は縮小案も出るなど揺れる建設計画を、予定通り36階でやり抜くことを誓う。

 実際、東京五輪が行われた64年10月から65年10月にかけて「昭和40年不況」「証券不況」と呼ばれる景気の落ち込みが生じた。鉄鋼需要の低迷によるとされる山陽特殊製鋼の破綻(負債総額500億円)や、株価下落等の影響で証券業界は不振に陥り、山一證券では取りつけ騒ぎも。だが証券会社への日銀特融などが功を奏し、65年末から「いざなぎ景気」が始まり、2桁成長率に戻っている。

 一時は「昭和恐慌の再来」も懸念された景気の反動については、「五輪後には不況が起こる」という潜在心理が人々の間にあったとも指摘される。いい意味での「織り込み済み」ならともかく、「恐怖の大王」が舞い降りてくるような強迫観念を抱いていると、何かのきっかけで過剰反応による不況拡大が起こりかねない。

 この春には三井不動産による地上35階、192メートルの東京ミッドタウン日比谷がオープンするなど、高層ビル建設が続く東京。政財界ともに「アフター2020」の景気維持を大きな課題にしているはずだが、何らかの反動を見込んでいる市民らは少なくないだろう。デジタルメディアで情報が瞬く間に拡散するのが64年五輪当時と異なる現在。映画「超高層のあけぼの」の上述セリフはある種の警告めいたものを感じさせる。







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