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プロフィール
渡辺学
1986年入社。ゴルフ担当を経て89年からテニス、ラグビー、アメリカンフットボール、アマチュアレスリング、陸上、水泳、サッカーなどの取材に携わった。五輪は夏季2回、冬季3回を現地取材。2001年に運動部デスク、06年から文化部で社会面デスクを担当後、専門委員などを経て現在法務広報室長。早大卒。
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町村信孝氏死去:ラグビー議連会長の相次ぐ殉職
2015年06月02日

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 脳梗塞のため1日に70歳で死去した町村信孝前衆院議長は、「ラグビーワールドカップ2019日本大会成功議員連盟」の会長でもあった。就任は13年6月。前任者の西岡武夫・元参院議長も会長在任中の11年11月に死去しており、ラグビー界は2代続けて議連トップがW杯イヤーに死去する不幸に見舞われた。西岡氏の場合はニュージーランド大会閉幕後だったが、町村氏は日本が初の決勝トーナメント進出の可能性を漂わせる今秋のイングランド大会を前にしての急逝。元気なら、大会に合わせて行われる“国会議員W杯”に参加していたかもしれない。

 

 ともに三権の長を務めた町村氏と西岡氏。西岡氏の死後、空席だった会長職を引き継いだ。その時の囲み取材で町村氏は、文部政務次官として文部相(現文科相)だった西岡氏に仕えた(1989年)縁を明かし、「国内でも(W杯日本大会の)認知度は、まだまだ十分高いとは言いがたい。PRの手段を考えなければ。予算に政治的圧力をかけるのも我々の重要な仕事」と政治家らしい言葉も放った。ラグビー記者の前に立った町村氏はスマートでオッサン臭さはなく、ダンディーなエリート政治家の雰囲気を醸し出していた。

 

 東京都立の名門進学校・日比谷高校ラグビー部で2年生にしてキャプテン。入学前に同部は全国高校大会でベスト8進出の快挙を成し遂げたが、町村氏は都大会の8強が最高だった。それでも名主将の誉れ高く、地元北海道の自民党道連の支部長経歴紹介には「日比谷高校時代『ラグビーの町村』として名声を得る」との一文も。いまや一部で「3Kスポーツ」などと呼ばれて高校では部員減少が叫ばれるラグビーだが、英国ではエスタブリッシュメントの子息が行うエリート素養の側面もある。父・金五氏は旧内務官僚から国会議員、自治相、道知事などを歴任した人物。そうしたバックボーンのある町村氏は東大経済学部から通産省(現経産省)を経て政治家に転じ、文科相から外相、官房長官とエリート路線を走り、「福田派」「森派」などとして歴代総理を輩出してきた名門・清和会のオーナーとして町村派も率いた。

 

 絵に描いたような出世街道の先には内閣総理大臣があったはずだが、スマートなエリート政治家には何かが足りなかったのか、頂点を極めることはなかった。筆者にその人物像は分かるべくもないが、「泥くささに欠ける」といった評も散見する。意地とプライドをのぞかせたのが、10年の衆院北海道5区補選と12年の自民党総裁選だった。

 

 政権交代をもたらした09年衆院選で町村氏は民主党元職・小林千代美氏に3万票差をつけられて敗れ、比例復活当選の屈辱を味わう。その小林氏が10年6月に政治資金問題で辞職すると、町村氏は議員辞職して同年10月の補選に打って出た。すでに民主党政権への幻滅感が芽生えてきたころで、自民党への追い風も吹き始めていた。とはいえ、解散や任期満了を待たずに小選挙区の議席奪回へ動いたのは、プライドと意地のなせるわざだろう。補選では逆に民主党候補に3万の差をつけてリベンジを果たした。

 

 12年9月の自民党総裁選では34票の獲得にとどまり、1位・石破茂氏(199票)、2位・安倍晋三氏(141票)に遠く及ばぬブービー(最下位は林芳正氏=27票)に終わった。町村派はオーナーが出馬しながら、安倍氏も立つ“分裂選挙”に。周囲の自重論などをものともせずに意志を貫いた安倍氏が決選投票で逆転勝利。昨年の衆院選後、首相と同じ三権の長たる衆院議長の要職に就いたが、解散総選挙に異論を唱えるなどして町村氏が祭り上げられた感もにじませる人事だった。

 

 かくして総理になれなかった町村氏。高校時代のポジション・ナンバー8はFW第3列の要となる。味方の攻撃をフォローしつつ、守りにおいては相手チャンスの芽を摘む。クレバーさが求められる役割はそのキャラクターに合っていたのかもしれない。そこにFW前5人の泥くささや、BKらアタッカー陣にみられる“突出した個”があれば最高権力者の座に就いていたのかもしれない。







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