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プロフィール
渡辺学
1986年入社。ゴルフ担当を経て89年からテニス、ラグビー、アメリカンフットボール、アマチュアレスリング、陸上、水泳、サッカーなどの取材に携わった。五輪は夏季2回、冬季3回を現地取材。2001年に運動部デスク、06年から文化部で社会面デスクを担当後、専門委員などを経て現在法務広報室長。早大卒。
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新国立競技場で注視すべきシンガポール深刻事態
2014年10月25日

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 「ファンは木曜日の親善試合で、ブラジルのネイマールや日本の本田圭佑といったビッグネームの欠場もしくはリタイアに直面することを恐れている」

 

  サッカー男子日本代表がブラジルに0-4大敗を喫した一戦を翌日に控えた13日、シンガポール主要紙ストレーツ・タイムズ(電子版)の記事にそんな一文があった。

 

 試合会場のシンガポール国立競技場は6月に新装オープンしたばかりで、ピッチのところどころで芝がはげ、砂が舞い上がるという状態の悪さがかねて問題視されていた。同競技場で8月にシンガポール選抜と対戦したイタリアのユベントスは、故障発生を懸念してカルロス・テベスを出場させなかったと同紙などが報道。それゆえ、ネイマールと本田も心配されたわけだが、何とネイマールはフル出場してチームの全得点をたたき出し、本田は後半からプレーした。冒頭に書かれたようなことが現実にならなかったのは幸運だったのかもしれない。

 

 選手は無事とはいえ、芝の問題が解決したわけではない。日本-ブラジル戦については産経新聞が17日付で「砂だらけの国立競技場」と題して、「ゴルフのバンカーショットのような」惨状を記した。ロイター通信によると、11月15日に開催される予定だったニュージーランドのマオリ・オールブラックス対アジア・パシフィック・ドラゴンズのラグビー戦をニュージーランド側がキャンセル(国立競技場のホームページにはまだ試合予定が掲載されている)。理由はやはりピッチコンディションの悪さで、選手の安全を確保できないとしているという。

 

 ロイターによると、芝は5月に敷かれたばかり。ユベントス以外からも悪評が相次ぎ、ファンも驚くピッチのひどさに、来月予定されているASEAN(東南アジア諸国連合)サッカー連盟の国際大会「スズキ杯」の会場移転も検討されている。ほかの報道では、何とかスズキ杯を開催させたいシンガポール側は芝保護のため、24日に行われたマライア・キャリーのコンサートでは直前にステージ位置を変更し、11月8日に予定されていた台湾アーティスト、ジェイ・チョウのコンサートを12月27日に延期するなど、対応に大わらわ。突然座席が変更されたマライアのファンらを怒らせた。

 

 最大5万5000人収容、開閉式の屋根を備えたシンガポールの「新」国立競技場。13億シンガポールドル(約1105億円)が注ぎ込まれたというスタジアムは、サッカー、ラグビー、陸上、クリケット、コンサートなどに使用される。開閉式屋根の多目的大型スポーツ施設といえば、2019年ラグビーW杯、20年東京五輪・パラリンピックに向けて建設される8万人収容の新国立競技場と共通する。“東京版”新国立をめぐっても、サッカー関係者らが最も心配しているのは芝がきちんと生育するのかというピッチコンディション。その問題が、シンガポールで開業早々に起きてしまったのだ。

 

 ストレーツ・タイムズ紙などによると国立競技場のピッチでは、芝をしっかり根づかせ、選手が故障するリスクを減らし、ボールが滑らかに転がるよう、ライグラス、ブルーグラスに、土中で合成繊維を織り合わせた“ハイブリッド芝”が採用されている。屋根によって日当たりが悪くなることに対しては、150万シンガポールドル(約1億2750万円)をかけて太陽光と同じ効果を生じさせる照明システムを整備。芝の選定には1年3か月をかけて20種類をテストした。水はけ機能もほかの競技場より数倍優れているという。

 

 いわば技術の粋を尽くしたスタジアムでも、世界からこきおろされるピッチ状態になっているわけだから、芝の問題は奥が深い。東京でも太陽光を多く取り入れる基本設計となっているが、それでも「うまく育たない」と指摘する建築関係者もいる。

 

 さらに東京がシンガポールに見るべきは、コンサートの多さ。競技場のホームページでは当初の使用例として、6月21、22日のラグビーのほか、同28日のオーケストラ演奏会、7月5日のシンガポールの歌手ステファニー・サンのコンサートが挙げられている。来年3月にはワン・ダイレクションのライブもある。

 

 東京の新国立もコンサートを収益の柱としている。日本ではカジノで注目される同国だが、芝問題でも注視すべきだろう。







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