スポーツから社会ネタまで、中古・新品まざりあった話題のフリーマーケット
プロフィール
渡辺学
1986年入社。ゴルフ担当を経て89年からテニス、ラグビー、アメリカンフットボール、アマチュアレスリング、陸上、水泳、サッカーなどの取材に携わった。五輪は夏季2回、冬季3回を現地取材。2001年に運動部デスク、06年から文化部で社会面デスクを担当後、専門委員などを経て現在法務広報室長。早大卒。
最新記事
カレンダー
2019年1月
« 12月    
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
28293031  

Archives

ラグビーW杯に間に合わない!?新国立“リスク判定”へ①
2014年09月26日

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 自民党行政改革推進本部が25日、2019年ラグビーW杯、20年東京五輪とパラリンピックでメーン会場となる東京・国立競技場の建て替えに関するヒアリングを党本部で開催。同競技場を管理運営する独立行政法人日本スポーツ振興センター(JSC)の担当者が計画説明を行い、かねてコストや景観破壊など問題点が指摘されている建て替えについて建築関係の有識者らが意見を述べた。

 

 招かれた有識者は、大内達史(日本建築士事務所協会連合会会長)、鈴木知幸(元2016年東京五輪招致準備担当課長)、内藤廣(建築家、東京大名誉教授)、中村勉(建築家、東京建築士会会長)、森山高至(建築エコノミスト)、和田章(東京工業大名誉教授、日本学術会議会員、前日本建築学会会長)の6氏。自民党からは行革推進本部長の河野太郎衆院議員、五輪・パラリンピック大会実施本部長の橋本聖子参院議員、前同本部長で現在は広報本部長の馳浩衆院議員らが出席した。

 

 同党行革推進本部では昨年11月、無駄撲滅プロジェクトチームが文科省、JSCに対し、建て替えコストや新競技場の収支計画などに関する ヒアリングを行っている。今回の議論に先立ち、河野氏は「予算の面、(デザイン公募等における)プロセスの面、陸上競技場として造るなら(現計画では常設化されない)サブトラックの問題、景観の問題も含めて、いろいろ取りざたされている。いい方向へ英知を結集しなければいけない」と趣旨を説明。続けて「(総経費)1971億円、これでやりますというお話をいただいている。ランニングコストはここ(新競技場)の収入から充てる。国が補てんするとか、totoの経費(収益)利用はダメ。国立として収支の一本化をお願いしたい。五輪は仮設になるかもしれないが、陸上競技場として造るなら、常設のサブトラックを確保してください。確保できないなら、サッカー場、ラグビー場ということになる」とクギも刺した。

 

 有識者からは、より一層の情報公開要求、経費圧縮にこだわるあまりの建築クオリティ低下への懸念、主にコンサートを意識しての開閉式屋根設置や音楽イベントを収益の柱としていることで、「新競技場はスポーツ施設なのか」と問う声などが聞かれた。中村氏は、この建て替え計画への異を最初に唱えた建築家槇文彦氏のグループの一員として、同グループが挙げた30を超す項目の問題点を列挙。「ラグビーW杯までに完成は疑問であると私たちは考えている」と衝撃的な指摘も行った。

 

 「たとえば、横浜国際総合競技場(日産スタジアム)は7万人収容で、観覧席にだけ屋根がついている。工期は42か月間だった。(新国立は)これだけの難しい工事なので、それと同じ期間ではとてもできない。私たちの感じでは、だいたい50か月間は必要」

 

 現行計画では、取り壊し工事が終わる来年10月に着工し、19年3月に工事終了、同年9~10月のラグビーW杯を迎えることになっている。日産スタジアムのホームページを見ると、工期は1994年1月から97年10月とあり、46か月間かかった。7万2327人収容の同スタジアムは建築面積6万8313平方メートル、延べ床面積17万2758平方メートル。陸上モードで7万2634人、フットボールモードで8万137人の新国立は、建築面積7万3225平方メートル、延べ床面積21万878とスケールが大きい(当初はもっと巨大な計画だった)。

 

  しかも、巨大なキールアーチを2本使った構造で8万人規模のスタジアムを造る工事は前例のない難しさと言われる。さらに、内藤氏は建設の成功は「設計の密度、熟度」にかかっているとして、先日始まった実施設計について「設計業者は構造図面を4000枚書くことになる。大変なプロセスだ」と指摘した。前出の日産スタジアムの場合、設計期間は2年2か月。新国立では来年9月までの2年間とされている。

 

 中村氏が語った「50か月」が必要となると、完成は19年11月でW杯は終わっている(期間をスライドさせれば別だが)。工事前倒しができるかといえば、いまだ取り壊しも始まっていないだけに、容易なことではないだろう。そもそもアジア初開催となるラグビー最高峰イベントのメーン会場にという関係者の希望が出発点だった新国立競技場。それに間に合わないのではシャレにならない。

 

 このほか、デザインコンクールで採用された世界的建築家ザハ・ハディド氏とのデザイン監修契約について、同氏への監修料13億円の積算根拠をただす質問もあった。

 

 議論を受けて河野氏は「ザハ・デザインをベースに(建て替え計画を)クリアできるのか、早急に詰めたい。いろいろな方からご指摘をいただき、『クリアできない』となったら、影響はどれぐらいなのか。早急に回答をまとめていただきたい」と、JSC側に、今回挙げられた問題点への回答を求めた。「13億円」の根拠も開示を要求。今後は「設計の方にも入っていただき、(現行計画に)どれだけのリスクがあるのかを共有したい。どれだけのリスクがあるのか、ないのか、回答をもとにもう一度、すり合わせをする」。リスクが大きい箇所が判明した場合、五輪準備を行う大会組織委員会もしくは東京都、下村博文文科相・五輪担当相に内容を伝えて議論を委ねることも考えられるという。(②に続く)

 







東スポ動画
注目コンテンツ
予選ステージは7月スタート!

ビートたけし本紙客員編集長が審査委員長の独自の映画賞!

日本マット界の隆盛、発展を祈念し、東スポが制定したプロレス大賞です。

開催3場の全36レース(2場開催の場合は全24レース)の馬柱を完全掲載!