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プロフィール
渡辺学
1986年入社。ゴルフ担当を経て89年からテニス、ラグビー、アメリカンフットボール、アマチュアレスリング、陸上、水泳、サッカーなどの取材に携わった。五輪は夏季2回、冬季3回を現地取材。2001年に運動部デスク、06年から文化部で社会面デスクを担当後、専門委員などを経て現在法務広報室長。早大卒。
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“原発推進”映画と英ナイト爵
2014年05月18日

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 日本滞在中のポール・マッカートニーもその栄誉に浴した、英ナイト爵の称号「サー」がつく人物に気軽に質問していいものか迷ったが、顔を50センチ程度の間隔まで近づけて答えてくれた。

 

 英国外務大臣付気候変動特別代表のサー・デービッド・キング氏(74)。駐日英大使館提供の経歴は輝かしい。科学や政策に関する500本以上の論文を発表し、数々の賞を受賞。2003年から07年にかけて英政府首席科学顧問を務め、13年9月に現職に任命された。02年に米芸術アカデミー海外フェロー、03年にナイトの爵位を授与された。09年にはフランスのレジオンドヌール勲章…。

 

 そのキング氏がこのほど来日し、13日に衆院第一議員会館で開かれた国会エネルギー調査会(準備会)の会合に招かれた。気候変動と言えば、3月に横浜で開催された国連「気候変動に関する政府間パネル」(IPCC)総会や作業部会が記憶に新しい。英国は気候変動への対策には並々ならぬ力を注いでいるといい、この日の中心テーマは地球温暖化とエネルギー政策だったが、筆者は“原発推進映画”などと話題の「パンドラの約束」(ロバート・ストーン監督=2013年・米国)についての見解が気になった。

 

 日本でも4月に封切られた同作は、原発反対から肯定的立場に転じた環境活動家やジャーナリスト、作家らが登場し、主張の変化を語るドキュメンタリー。地球温暖化こそが人類最大の問題であり、原発はそれに資する。IFR(統合型高速炉)、SMR(小型モジュラー炉)、SFR(ナトリウム冷却高速炉)といった第4世代原子炉の開発が進み、安全性や放射性廃棄物の問題でもリスクが小さくなる。ざっとこの2点が主要なポイントで、“圧巻”はチェルノブイリ事故が起こった1986年に米国で行われた新型原子炉の実験。原子炉を最大出力で稼動させ、3・11の福島第1と同じ「全電源停止」状態をつくり出した。それでも原子炉は止まった。「メルトダウンはない?」と尋ねるストーン監督に、専門家は「メルトダウンは起こらない」と明言している。

 

 そこで議員会館での会合終了後、キング氏に聞いた。「映画は見ていない。彼ら(随行の駐日英大使館スタッフら)は見ているけれど」。第4世代原発はそんなに優れものなのか?「相当改善される(much much better)けれど、使えるのはかなり先のことだろう」。

 

 英国も地球温暖化を何よりの脅威ととらえており、原発の新設計画も進めて、日本からも東芝や日立が関連企業を買収するなどして参入をうかがう。キング氏側が会合で出した資料によると、2010年の原発依存度は20%弱なのが、50年には3分の1近くにまで拡大する。もっとも、これは「パンドラの約束」的に原発を推進しようということではない。

 

 「大規模なエネルギー(電力)貯蔵施設ができれば、2050年までのエネルギー構成割合も大きく変わる。もっと再生可能エネルギーを増やせる。それまでは原子力や二酸化炭素が回収・貯蔵処理された石油・石炭に頼らざるを得ない。これは好ましくないことだが、仕方ない。原子力発電が日本にとって大きな問題であることも認識している。世界中で何十億、何百億を投資して、大規模なエネルギー貯蔵施設が実現させることが重要だ」

 

 電力の大規模貯蔵が可能になれば、出力の不安定が指摘される風力や太陽光などのエネルギーが活用される余地が広がるということ。そうなれば原発依存度は下がる。キング氏に原発新設のリスクを尋ねると「英国は事故があるたびに厳しい規制を導入しており、私個人としては、安全性に自信がある。津波もないし。ただ、日本について同じようなことが言えるかどうかはコメントできない」。

 

  ,一部地域でまだ見ることができる「パンドラの約束」。個人的には、その内容よりも、鮮やかすぎるほどの色彩にイメージ戦術のような意図を疑ってしまう。







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