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プロフィール
渡辺学
1986年入社。ゴルフ担当を経て89年からテニス、ラグビー、アメリカンフットボール、アマチュアレスリング、陸上、水泳、サッカーなどの取材に携わった。五輪は夏季2回、冬季3回を現地取材。2001年に運動部デスク、06年から文化部で社会面デスクを担当後、専門委員などを経て現在法務広報室長。早大卒。
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映画「60万回のトライ」15日公開
2014年03月08日

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 「映画製作のご支援募集中!」

 

 「2013年秋公開にむけて応援お願いします!」

 

 そんな文言の入った黄色いチラシを秩父宮ラグビー場で見かけたのは昨夏のことだった。以来、頭の片隅にあった映画「60万回のトライ」が15日、いよいよ公開。それに先立ち2月末、都内の日本記者クラブで上映会が行われた。

 

 2010年1月、高校ラグビーの強豪・大阪朝鮮高が09年度の全国高校ラグビー大会で初の準決勝進出(神奈川・桐蔭に7-33)を果たしたことを機に、ソウル出身の朴思柔(パク・サユ)監督が、次代のチームが再び花園を目指し、同じ準決勝で桐蔭と対戦するまでを中心に描いたドキュメンタリーが「60万回のトライ」。

 

 プレスリリースによると、タイトルには「日本で生きる在日朝鮮人およそ60万人の夢と願い、そして挑戦の意味が込められている」。作中でも、試合前日の練習で選手が「60万――」と叫びながらタックルダミーをなぎ倒す光景がみられる。朝鮮学校への補助金不交付や学費無償化の対象外とされるという深刻な問題にも直面する在日コリアンラガーマンたちも、素顔は屈託のない普通の高校生。ラグビーを通じて青春を謳歌する10代が全編にわたって映し出される。

 

  この作品には前段があり、大阪朝高所在地の東大阪市が同校に運動場の明け渡しを求める問題が持ち上がり(後に和解)、02年に来日、韓国のニュース専門放送局の海外レポーターとして在日コリアンの情報を発信していた朴監督は07年に同校を訪れた。そこで目にした、ぬかるんだグラウンドでラグビー部員たちが泥だらけになってボールを追う姿に感銘。同部が快進撃で全国大会4強進出と知らされ、花園で準決勝を見て「そのエネルギーに魅了され、3年間の密着取材をしてきた」(岡本有佳プロデューサー)。

 

 映画化にあたっては在日朝鮮人3世の朴敦史(パク・トンサ)監督が加わり、共同監督として制作された。作中では朴思柔監督が08年に乳がんを患ったという独白(ナレーションは根岸季衣)もあり、病をおしての製作だった。困難は監督の体調のみならず、公開に向けた一連の過程でも襲ってきた。

 

 「お金が尽きて製作ができないということで、映画は素人だけどプロデューサーを引き受けた」(岡本氏)。それが昨年の初めごろ。1口2000円から寄付を募る運動が始まり、冒頭に記したチラシなどを通じて、岡本氏によると7~8か月で約700万円が集まった。元早大監督の中竹竜二氏ら著名人も応援のもと、昨年秋に完成し、公開にこぎつけた。あの「あまちゃん」のテーマ曲でも知られる大友良英氏が音楽を担当した。

 

 登場する部員たちは日本で開催されるW杯2019年大会で主力となる世代。関学大に進んだPR金寛泰主将、法大のCTB金勇輝副将、大学選手権5連覇の帝京大の主力であるCTB権裕人ら有望選手もいる。過去にU-20日本代表に選ばれた選手も。そんな観点からも興味深い。

 

 かつて花園で旋風を巻き起こした大阪・北野高校の選手だった橋下徹氏も、当時の府知事として登場する。大阪朝高を視察した際と、花園を訪れた時の記者会見。同校の活躍が「府民を元気づけた」と称賛しつつ、補助金や無償化の話になると「ほかの自治体でも同じ対応をするでしょう」とつれない。一方で金寛泰主将は無償化問題についての記者会見に参加しノーサイド精神に触れて、差別的な扱いの非を指摘した。2人のラガーマンの対照ぶりも鮮やかだ。

 

 そして何より、「スポーツの力」を強調した呉英吉監督の言葉。近年の五輪運動で「スポーツの価値」を訴える国際オリンピック委員会(IOC)、日本オリンピック委員会(JOC)、東京開催の2020年五輪・パラリンピックの関係者らも感激するに違いない。







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