何となく思いついたこと、目についたことをツラツラと…。
プロフィール
高木圭介
昭和44(1969)年6月4日、神奈川県川崎市生まれ。神奈川大学レスリング部を卒業後、1993年に東スポ入社。プロレス&格闘技、社会、レジャー、特集部などを担当後、現在は運動部所属。 2006年10月、本紙携帯サイト「東スポ芸能」のスタートと同時に当コラムはスタート。2009年10月から晴れて、紙面でも連載開始。世の中の重箱の隅を愛する〝長期連載〟。
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385:東スポ傑作広告シリーズ⑤~NETの日本プロレス中継
2012年12月14日

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<2012年9月=東スポ携帯サイトより>

 歴史の分岐点には、さまざまな混乱が生じる。後に見返すと、何とも奇怪、不自然に映るモノさえもある。

 今回、紹介する広告は昭和47年7月28日発行の東スポに掲載されたNET(現・テレビ朝日)の「日本プロレス中継」の広告だ。現在もおなじみの「ワールド・プロレスリング」ではない。広告にはインターナショナル選手権のチャンピオンベルトを巻いたジャイアント馬場、坂口征二の写真とともに「金曜よるの興奮プロレス中継!! 今晩から10チャンネルがおとどけします。」のコピーが勇ましい。

 この広告が掲載されるまでの経緯は、かなりややこしい。

 力道山存命の時代から、金曜夜8時のプロレス中継といえば日本テレビ放送の「三菱ダイヤモンドアワー」だった。プロレス人気に目をつけたNETが、昭和44年7月から「ワールド・プロレスリング」の放送を開始。ジャイアント馬場、アントニオ猪木の両エースを擁する日本プロレスは異なるテレビ局による週2回のテレビ中継枠を確保することになった。

 ところが老舗・日本テレビからは、NETのプロレス参入に対して〝待った〟がかかる。

 NET中継開始にあたり「ジャイアント馬場、坂口征二の試合は放送しない」「インターナショナル選手権の試合は放送しない」「インターナショナル・タッグ選手権の試合は放送しない」「ワールドリーグ戦の公式戦は放送しない」などの諸条件が突きつけられる。

 プロレス中継の目玉を、ほとんど奪われる格好となりつつも、この条件をのんだNETのプロレス中継は、若獅子・アントニオ猪木の試合を中心とした編成で放送をスタート。金看板であるBI砲の試合はNGとなるため、吉村道明&猪木組が保持するアジアタッグ選手権や、その他の猪木の試合や大木金太郎、、グレート小鹿、ヤマハブラザーズ(星野勘太郎&山本小鉄)らの試合が放送される。ワールドリーグ戦の最中でも、公式戦以外の6人タッグ戦などが放送されていたのだった。

 結果、日テレとNETの両方で試合が放送される猪木の知名度アップに貢献し、中継の金看板としてUN世界王座(※当時はそう呼ばれていた)を、NET中継にもたらすことになった。

 坂口の試合はなし崩し的にNETで流されるようになってはいたが、昭和46年末、猪木の日本プロレス追放により、すべての磁場が狂い始める。

 看板選手を失ったNETが、昭和47年4月から馬場を中継に登場させることに踏み切った。約束を反古にされた日テレ側は激怒し、プロレス中継の打ち切りを決断。5月12日の中継でワールドリーグ戦決勝(馬場vsゴリラ・モンスーン)を放送したのを最後に翌週から9週にわたって、力道山時代からのライブラリー映像を中心とした放送で時間を稼ぐ。

 何に対して、時間を稼いでいたかと言うと、後番組となるテレビドラマ「太陽にほえろ!」の制作準備に対してだ。日本プロレスのお家騒動のとばっちりとして急きょ制作された太陽~の記念すべき第1話「マカロニ刑事登場!」は7月21日に放送されている。

 これにて日本プロレスの中継を独占できることになったNET中継では堂々と馬場の試合、インター選手権、インタータッグ選手権の試合を放送開始。ついには月曜夜8時の「ワールド・プロレスリング」だけでなく、7月28日からは「日本プロレス中継」としてプロレス中継の指定席であった金曜夜8時にも進出。その日の東スポに掲載されたのが、この広告なのだ。

 だが、この広告掲載から2日後、馬場は日本プロレスに辞表を提出。日テレの全面バックアップを得て、全日本プロレスの旗揚げ準備に入り、10月7日、団体旗揚げよりも先に土曜夜8時から「全日本プロレス中継」がスタート。1回目の放送はハワイでの「馬場vsザ・シーク」だった。

 月曜夜8時の「ワールド・プロレスリング」は9月25日放送の「坂口vsラリー・ハミルトン」を最後に放送終了。後番組は酒井和歌子主演のドラマ「泣きべそ・ほほえみ・六本木」だった。







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