何となく思いついたこと、目についたことをツラツラと…。
プロフィール
高木圭介
昭和44(1969)年6月4日、神奈川県川崎市生まれ。神奈川大学レスリング部を卒業後、1993年に東スポ入社。プロレス&格闘技、社会、レジャー、特集部などを担当後、現在は運動部所属。 2006年10月、本紙携帯サイト「東スポ芸能」のスタートと同時に当コラムはスタート。2009年10月から晴れて、紙面でも連載開始。世の中の重箱の隅を愛する〝長期連載〟。
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365:東スポ傑作広告シリーズ③~東京スタジアム建設(昭和37年1月)
2012年07月27日

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             <2012年5月=東スポ携帯サイトより>

 今回ご紹介する広告は昭和37(1962)年1月1日付けの本紙に掲載された大毎オリオンズ(現・千葉ロッテ・マリーンズ)の本拠地・東京スタジアム(東京都荒川区南千住)の建設を高らかに謳う広告だ。同スタジアムは同年5月31日に正式にオープンしている。

 新聞の1個面をフルに使った広告には、後に〝光の球場〟と呼ばれる東京スタジアムを上空から捉えたイラストに「62謹賀新年 祝 東京スタジアム誕生」と描かれ、日本飲料株式会社、新三菱重工、沖電気、関東電気工事、八幡製鐵、東芝、竹中工務店が企業名を連ねている。

 東京スタジアムの寿命は短く、オープンから10年後の昭和47年に閉鎖。すったもんだの末、5年が経過した昭和52年に解体されている。この期間内の航空写真などを検索すれば、容易に空撮写真を見ることはできる。だが当時の球場としては、かなりモダンな6基もの照明塔がクッキリと描かれた東京スタジアムのイラストは、写真よりもむしろクッキリと、東京スタジアムの「理想の姿」が描かれているではないか。

 スタジアム解体後の跡地の一角には現在、荒川総合スポーツセンターや南千住警察署が建つ。スタジアムの外観、内部の姿は「帰ってきたウルトラマン」(昭和46年)の第35話「残酷!光怪獣プリズ魔」や、最終回「ウルトラ5つの誓い」で見ることができる。

 東京スタジアムではプロレス興行も頻繁に行われており、後に長きにわたって激闘を繰り広げたジャイアント馬場とアブドーラ・ザ・ブッチャーの初一騎打ちも昭和45年9月5日、この球場で行われている。

 モダンな東京スタジアム建設には、大毎の永田雅一オーナーのセ・リーグ、特に人気球団である読売巨人軍への対抗心が強く働いていたと伝わる。だが、大毎の新球場建設に強い対抗心を燃やしたのが、同じくパ・リーグの東映フライヤーズ・大川博オーナーだった。

 永田オーナーが大映の社長ならば、大川オーナーは東映の社長。野球のみならず本業の映画でもライバル企業。この2人、多くの関係者の証言からも〝犬猿の仲〟であったことは間違いない。

 東京スタジアム広告が掲載された3日後、1月4日付の本紙1面記事にて大川社長は、東京・渋谷のワシントンハイツ(現在の代々木第一&第二体育館やNHK放送センターのあたり)に東映の新球場設立を高らかに宣言。ワシントンハイツが無理ならば「最悪でも多摩川園」とまで豪語している。

 当時、東映が本拠地にしていた駒澤野球場は、この年のシーズン終了と同時に、2年後の秋に開催される東京五輪用の競技施設を建設するために解体が決定していた。

 駒澤野球場の後釜を探していた大川オーナーは集客立地に申し分のない渋谷を狙った模様だが、前年秋の時点で、ワシントンハイツ跡地にも東京五輪用の施設が建設されることは、すでに決まっていたはず…。

 これでは、東京五輪施設のために立ち退きを強いられ、ようやく見つけた新天地もまた、東京五輪施設のために頓挫…というマヌケな事態になりかねない。

 もしかすると本命は最初から「最悪でも」と前置きされていた多摩川園(多摩川園遊園地をまるごと潰して野球場にするつもりだった模様)だったのかも知れない。東映→日宅→日本ハムの練習場は、つい最近まで多摩川園から丸子橋を川崎市側へと渡ったすぐの場所、日本初の常設サーキットがあった「多摩川スピードウェイ」の跡地にあった。練習場とフランチャイズ球場が川を挟んですぐ、というのも便利だ。東映時代、私服にサンダル履きで選手を見守る大川社長の姿が、よくこの河川敷の練習場で目撃されていたそうだ。

 それにしても多摩川園のあの凹凸が激しく狭い土地に、どのようにしてプロ野球用のスタジアムを建設しようと考えていたのか? 実に興味深い。







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