日本語、英語、フランス語を追いかける…猫語の達人!
プロフィール
町田忠
執行役員専門委員。競馬記者10年を経て校閲担当25年超。文字と言葉の魅力に取りつかれて言葉の世界をふわりふわりと旅し続けている。仕事を離れると、猫写真家に変貌し日夜のら猫を追いかけ回す、のら猫と文学とビートルズ愛好者。
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日本語「プレミア」には3つの意味があるのに辞書には載ってない!?
2013年01月30日

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 きょうの東スポ(31日付)を開くと、6面に「プレミアム」、7面に「プレミア」という言葉が出ている。プレミアのほうは完全に日本語になっているといえるだろう。いろんなところで使う。

 少なくとも口語では、プレミアムでもプレミアでも一緒くたにプレミアだ。最も頻繁に使われる「プレミア付き」などは大人から子供まで誰でも使う。正規の料金に割増金が加えられたもの、という意味。

 

 さて、では、辞書を、代表的な国語辞典・広辞苑の「プレミア」をひいてみよう。なんて書いてあるか?

 【プレミア】の見出しが2つある。ひとつは「プレミアショーの略」と出ていて、もうひとつは「プレミアムの略」。以上。プレミアという言葉では何も説明されていない。プレミアだけでは意味をなしていないのだ。

 

 外来語のプレミアは原語の英語では3つの意味がある。

 

 まず、日本語として多用されるプレミアは英語のpremium。発音もプレミアム。賞金とか、割増金、手数料、謝礼という意味。日本語の「プレミア付き」は実はこのプレミアムなのだ。付加価値として付けられる「割増金」。語尾の「ム」が消えてしまったのか、略されたのかは分からないが、英語では絶対必要な発音がなくなってしまった。

 プレミアという単語がなければそれでよかったかもしれないが、プレミアもあるからいけない。

 

 もうひとつのプレミアの英語はpremiere。こちらはプレミアともプリミアとも発音される。ちょっと変なのは、もとはフランス語だからだろう。フランス語premiereはプルミエールと発音される。

 英語premiereは名詞で「初日、封切り」。形容詞で「初日の、最初の」という意味になる。だからプレミア試写会とは、封切り前に見せる最初の試写会。プレミア・ショーなる和製英語もその意味で作られた。そのプレミア・ショーを略してプレミアという。

 

 以上のように、プレミアはプレミアムとプレミア・ショーの略語。付加価値、割増金を指すなら本来はプレミアム、プレミアム付きと言わなければならない。新聞用語ではそう表記することになっている。

 

 さて、もうひとつのプレミア。これが本日の東スポ7面に出てきた正しい使い方。プレミアだ。きょうは「プレミア化」と使われているが、イギリスのプレミアリーグと同じく「最高の」という意味のpremier(発音もプレミア)。この記事では、現在の日本のJ1、J2リーグに加えてJ3リーグを作る構想が練られているのだが、トップをプレミアリーグとする案も出ている、と書かれている。

 それが実現されると、プレミア付き、プレミアショー、プレミアリーグ。日本に3つの英語から作られたひとつの「プレミア」がはっきりと誕生するかもしれない。しかし、前述のように、少なくとも「プレミアム付き」だけはちゃんとプレミアムと覚えておく必要がある。







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