究極の頭脳スポーツ「ケイリン」を東スポの〝伝道師〟がアナタに伝えます。
プロフィール
前田睦生
突撃隊長・前田睦生(まえだむつお)競輪命。九州男児。ヘアスタイルは丸刈り、衣装は吊るしのスーツで全国各地の競輪場の検車場を闊歩している。日頃の不摂生を休日の多摩川土手ランニングでなんとかしようとしている姿の目撃情報多数。 補佐・秋田麻子(あきたあさこ)趣味は競輪とプロレス観戦。なぜかアイアンマンヘビーメタル級王座1054代王者でもある。
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自責の念
2018年09月10日

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 全日本トラックが8、9日の2日間、伊豆ベロドロームで開催された。ひたすら、考えさせられることばかりの時間を過ごした。中でも、最後に一瞬めまいがする事態が起こった。前田佳代乃(27)の引退だった――。

 

 

 深谷知広(28)のスプリント優勝のインタビュー後、深谷が競技中や表彰式で名前を間違われる件があったり、またスポンサーサイドへの配慮についてであったり、大会運営としてもっとしっかりしないといけないというような話が出ていた。大会の枠組み、運営を高い精度のものにしていかないと…。小さなことかもしれないが、見逃されてはいけないことだと、そういった声を聞きながら私自身もエラーの多い方なので、もう一度背筋を伸ばしてしっかりしないとな…と思っていた。

 

「ほんとアタシはダメなことばっかりやっとるな…」と頭をかきながら前田のスプリント10連覇のインタビューに駆け寄ると、「引退だって…」と伊東競輪(10~12日)の前検から駆けつけていたN紙のラガーマンがひと言つぶやいた。前田がこの大会をもって、この10連覇を最後に引退するという。

 

 驚きとともに、反省中の私の体にさらなる反省の思いがわき上がっていた。「一度まとまった取材か、動画の直撃インタビューをしないといけなかった!!」……。後頭部を殴られたようだった。ガールズケイリンができる前のエキシビションのころから、前田は活躍していた。先頭に石井寛子(32)がいて、前田がいて、終盤に加瀬加奈子(38)が出てきて、ガールズケイリンができる機運が高まっていった。

 

 前田はガールズケイリンの選手にはならなかった。

 

 スプリント10連覇の時間の中で、前田は個人のプロとしてスポンサーを集め活動を行ってきた。2012年にはロンドン五輪にも出場した。周囲からは「ガールズの選手にならないの」と言われ続けた。だが、こだわった。こうした大会や代表チームの活動を取材する中で、会う機会もあった。同じ「前田」という名字でもあるし、陰ながら期待していたものだ。

 

 前田の立場であり、思いであり、前田から見えるガールズケイリンの見え方を聞かないといけなかった。これだけ重要な存在なのに、私はぬかった…。自分の不明を恥じる思いから、簡単にお疲れさまでしたと声をかけることが大変失礼だと感じていた。暗い135号線を後悔と自責の念で帰った。

 

 この大会には有望な選手がたくさんいて、競輪選手だけではなく、実業団、大学生、高校生、パラサイクリングともっと取材しないといけないのだと思った。梶原悠未(21)には少し話を聞くことができて、これだけは、という質問をひとつ投げかけた。「ガールズケイリンの選手になるのかどうか、千回くらい聞かれているでしょう」。梶原は笑いながら「そんなにはないですよ、50回くらいかな」と話してくれた。

 

 

 世界の強豪を相手に、たくましく東京五輪で金メダル獲得を目指す梶原が、表彰式を前にくしで髪をとかす愛くるしい写真を載せておこう。

 

 この日本一を決める大会には、競輪選手が争う全プロで権利を取って出場することもできる。小沼良(47)もエリミネイションで2位に入り、全日本トラックではポイントレースに出場していた。時折書いているが、全プロの位置づけがあいまいになっている。全プロと全日本トラックの関連付けや、寬仁親王牌へのストーリー展開を、今後250ケイリンができることも含め、根底からつくり直す必要があるだろう。

 

 もっと競輪選手が出場することで、競輪ファンと自転車競技ファンの流動性も高まるだろうし、自転車界そのものの前進になるはずだ。

 

 橋本英也(24)の活躍を見て、中距離系の学生で競輪選手に興味を持つことが増えているという。また、こんな選手もいる。「CS Slinger」というチームに所属し、中距離の強化指定選手として世界を目指している男だ。

 

 

 新村穣(24)だ。今大会のマディソンは2位だったが、15、16年大会は連覇している。ちょっと前になるが、吉田拓矢(23)を取材した時に「トレーナーが一緒の新村さんという人がいて」という話を聞いて知っていた。神奈川県出身だが、来年の茨城国体に向けて、茨城での活動にも軸足を置いているので吉田とのつながりもあるそうだ。

 

 この日はあいさつしかできずに申し訳ない限りだったので、世界を巡る男の話を今度は聞かないといけない。新村の、丁寧な言葉でしかも詳細なブログを読んで勉強しておこう。

 

 私の座右の銘のひとつに「後悔はしても、反省はしない」というのがあるのだが、今回ばかりはこたえた…。とにかく、反省しかない…。







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