究極の頭脳スポーツ「ケイリン」を東スポの〝伝道師〟がアナタに伝えます。
プロフィール
前田睦生
突撃隊長・前田睦生(まえだむつお)競輪命。九州男児。ヘアスタイルは丸刈り、衣装は吊るしのスーツで全国各地の競輪場の検車場を闊歩している。日頃の不摂生を休日の多摩川土手ランニングでなんとかしようとしている姿の目撃情報多数。 補佐・秋田麻子(あきたあさこ)趣味は競輪とプロレス観戦。なぜかアイアンマンヘビーメタル級王座1054代王者でもある。
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hi-lite
2018年11月15日

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 ジッと下を向いてセッティングを確かめているのは大西祐(31)だ。91期は2006年7月のデビューから、もう13年目になる。「13年目にして、初めて競輪選手のセッティングにします」。??? 今までは? 「ママチャリでした」。ハンドルが高く、よほどスポーティではない乗り方だったそうだ。

 

 松戸競輪ナイター(FⅠ)が14~16日の日程で開催されている。初日の予選7Rでまくりを決めたものの、感触をつかむには至らなかった様子。1着でも、上がりタイムが9秒9では、良かったのかどうか…。とりあえず、この乗り方に慣れて再浮上するかに注目だ。

 

 そんな大西の薄いブルーのウエアを見ていると、ハイライトブルーが目に浮かんでくる。もっと深みのある、何とも“昭和”の色――。煙草の「hi-lite」だ。デザインをした和田誠は映画「麻雀放浪記」の監督としても知られている。「hi-lite」を愛していた伝説の記者が先日、他界した。

 

 あまりにも独特な雰囲気を持ち、競輪を怪しげに堪能していた。基本的に選手を追いかけるタイプで、このところ伸びている、着に絡んでいる選手をずっと狙っていた。そして、その選手が車券に絡んだ時に買っていないことを極度に恐れ、枠t単や2車単で1、2着を流したり、3連複の全通りを買ったりしていた。

 

 また、「千葉の1レースは4番車なんだよ。4番車が穴を空けるんだよ」。いつだったか、神山功(42期=引退)が本当に大穴を空け、3連複を取り大はしゃぎをしていた。今度、息子の尚(27、109期)が4番車の時は狙ってみよう。千葉が250バンクで再開した時は4番車を買ってみよう。

 

「お前、よく3連単なんか買えるな。そんなのおっかなくて買えねえよ」。京王閣では3連複で10万円を超える配当を当て、飛び上がって喜んでいた。そして、しばらく通路にへたり込んでいた。気の弱い「サンプクの鬼」だった。

 

 最後の最後までオッズを眺め、締め切り間際に投票する。たまに「へっへっへ、これが来たら一人勝ちだよ」。人気薄で投票されていないところへ1票投じ、誰もが来ないと信じて疑わないような車券を握り締めていた。私が東京に仕事で出てきて、最も衝撃を受けた人物だった。小説の、また映画の中のような人だった。

 

 映画雑誌で働いていたこともあり、映画はとても詳しかった。「破戒」「砂の器」「自転車泥棒」だけ、とりあえず書いておこう。「砂の器」の丹波哲郎の演技が最高だと言い、また加藤嘉(よし)が好きだった。音楽では加古隆の「映像の世紀」のテーマが好きだった。嫌いなものはあまりにも多く、ここでは書けない…。

 

 何ともぬぐえない喪失感にさいなまれるが、少しでも味のある仕事をできるように前を向こう。あの美しい文体は真似ることすらできないが、いろんなものを吸収していきたい。単純でなく、奥深い、様々な人間の有り様を見つめていきたい。

 

「hi-lite」という名前は、もっと陽の当たる場所、という意味だそうだ。でも、「hi-lite」を吸いながら、陽の当たらない場所、も見てましたね。とても深い洞察、これから身につけられればと思います。ありがとうございました。



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