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“代打”西野監督は世界を驚かせられるか
2018年04月16日

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 ロシアW杯まで2か月というところで飛び込んできた、サッカー日本代表のハリルホジッチ監督解任のニュースは良くも悪くも世間の注目を集めた。最近はW杯に出場できるのが当たり前に見られているからか、初出場を果たした1998年フランス大会、ホスト国だった2002年日韓大会ほどの注目度はなく、今回にしても大会直前まで盛り上がらないとも思っていた。

 そんな中での監督交代。新たに就任した西野朗監督にはチームを立て直すといった生ぬるい使命ではなく、W杯で勝つことだけが求められる。準備期間が短い中ではかなり難しいミッション。それでもこの監督は、間違いなく強気の戦術、チームづくりをすると確信している。

 その根拠は1996年アトランタ五輪にまでさかのぼる。「マイアミの奇跡」で有名なブラジル戦勝利ばかりが取り沙汰されるが、実はこの大会、1次リーグで2勝1敗で勝ち点6を獲得したのにもかかわらず、得失点差で決勝トーナメント進出を逃している。強豪国相手に勝ちに行くサッカーを展開したが、得点はしっかり守ってからのカウンターに依存。基本的に守備重視のスタイルだったこともあり、大会後、日本協会の強化委員会(現技術委員会)の評価はA〜Dの4段階で下から2番目の「C」だった。

 もともとFW出身の監督。守備的では評価されないとわかったのか、柏やG大阪では攻撃的なチームをつくった。特にG大阪では「超攻撃」をスローガンに掲げ、破壊力がある外国人FWを軸としたチームでクラブにタイトルももたらした。

 そんな西野監督の「プライド」にモロに触れてしまったことがある。2008年のアジアチャンピオンズリーグ(ACL)。浦和担当だった私は準決勝のG大阪戦の取材に行き、試合前日の公式会見でこんなことを聞いた。

「昨季、浦和はACLで優勝しましたが、今のガンバとは明らかに違う戦術でした。ガンバが浦和にACLで勝つには、そしてACLで優勝するには何が必要だと思いますか」

 すると、西野監督の表情は一気にこわばった。眼光が鋭くなり、間髪入れずにこう返してきた。

「浦和は確かにACLで優勝した。それはすごいこと。でもガンバはガンバのスタイルでACLを勝ちたい」

 前年、浦和はACLが現行制度になってから日本勢で初めて優勝したが、守備重視の戦術で個の能力に頼るサッカーには否定的な声も少なくなかった。日本が目指す「連動するサッカー」とは方向性が違っていたため、日本サッカーの発展にはつながらない、という厳しい声さえあった。そのスタイルは、アトランタ五輪の日本代表とどこか重なって見えた。だから西野監督は「浦和とは違うスタイル」の攻撃サッカーにこだわった。

 結果、G大阪は準決勝で浦和を撃破し、決勝もアデレードに勝って日本勢2年連続ACL制覇を果たした。優勝インタビューでも「浦和と違うスタイルで勝ち抜くことが昨年とは違う価値がある」と言い切った。自身の出身地の浦和に対する反骨心というより、守備的スタイルへの強烈なライバル心が生んだタイトル奪取劇だった。

 そんな西野監督がついに日本代表の指揮を執る。“代打”の監督はまず守備を固めて「負けないサッカー」をするのがセオリーだが、西野監督はそんな腰の抜けたサッカーはしないだろう。「攻撃は最大の防御」という言葉を体現したG大阪時代同様、ロシアの地でも攻撃に主眼を置くスタイルで世界を驚かすことを期待している。

(運動部デスク・瀬谷 宏)







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