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選挙戦“密着マラソン”で飛び出すのは名言?失言?
2017年08月10日

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 選挙戦取材で楽しみの一つにしているのが、“密着マラソン”(記者命名)だ。党幹部や著名弁士の応援回りを同行するというもので、多い時で1日10か所以上に及ぶこともある。一般朝刊紙の政治部記者ならハイヤーで悠々自適だが、こちらは原則、公共機関での移動で、タクシー使用は最終手段。体力プラス瞬発力が求められる異質の取材となる。

 先の都議選では、自民党の小泉進次郎衆院議員を密着した。6月28日、銀座を午前11時にスタートし、谷中霊園、綾瀬駅、一之江駅、小岩駅の5か所を3時間で回る日程だ。応援日程は前日に党本部が決めるが、候補者の予定が先にありきで、応援弁士を無理やりに割り当てていくケースが多いため、最初から時間通りとはいかず、無謀な行程となるのが常だ。

 今回も東京東部に固まって、楽なように見えるが、南北を行ったり来たり。進次郎氏は車で移動するとあって、乗り換え案内アプリと地図を片手ににらめっこから始まる。

 いざ当日。さっそうと銀座に現れた進次郎氏だが、いきなりの20分遅れ。これでタイムスケジュールはさらにシビアとなり、冷や汗が流れる。最初の難所は谷中霊園入り口での演説だ。駅前ではなく、千代田線千駄木駅から約800メートルの距離だが、少しでも時間を稼ぐために手前の根津駅で下車し、約1キロの距離を小走りで急ぐ。道中、この選挙区から出馬している泡沫候補に出くわしたのも密着マラソンならではの醍醐味だ。

 タイムロスしたものの、進次郎氏の演説がちょうど始まり、滑り込みセーフ。続く綾瀬駅では進次郎氏の密着取材で有名なノンフィクションライターのT氏と顔を合わせる。同行取材の猛者もこの日は一部しか取材しないとのことで、がぜん、勝手な使命感に燃える。

 最大の難所が、綾瀬駅から一之江駅への移動だ。車なら南へ約12キロ、30分の行程だが、公共機関では都心に一度戻るか、複数の路線を乗り継いでいくルートしかない。13時5分に綾瀬駅での演説会が終了し、一之江駅は13時半開始の予定。事前にシミュレーションしていた複数の行程を時刻表に当てはめ、最速(それでも40分)で移動できる千代田線→東武線→半蔵門線→都営新宿線のルートを選択。もはや西村京太郎氏の“時刻表トリック”の世界だ。

 一之江駅に到着し、全速力で会場に。進次郎氏の車も渋滞に巻き込まれていたようで、演説も始まっていなかった。最後の小岩駅は一之江駅からバスで一本だったが、乗り遅れて、再び都営新宿線、JR総武線経由で進次郎氏の車と同着ゴールで、無事、完走となった。

 なぜ密着マラソンするかといえば、各選挙区で異なる聴衆の反応を拾えるのが一つ。また応援弁士も全く同じ演説をしているワケではない。親交のある候補者なら熱が入るし、党側に押し込まれただけなら素っ気ない内容なのもザラで人間関係がよく分かる。

 進次郎氏の場合は都議選の応援に入ったのがこの日が初。銀座での演説から「逆風は自分たちがまいたタネ」とおわびをベースにしていたが、小岩駅では「小池さんを全力で応援しましょう。無駄遣いがあるなら厳しく批判すればいい。それが議会と都知事の健全な関係です。自民党のできる真の“都民ファースト”です」と小池都知事の都民ファーストを逆手にとっての絶妙な言い回しが飛び出した。

 演説の名手といわれる進次郎氏もこれまで4か所を回って、最後にひらめいたのだろう。名言、失言を含めて、ホンイチ(本日一番)を拾った時も密着マラソンでしか味わえない至福である。

(文化部デスク・小林宏隆)







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