プロフィール
山口敏太郎(やまぐちびんたろう)
1966年7月20日徳島県生まれ。作家・オカルト研究家。神奈川大学卒業後、日本通運入社。96年に作家デビュー後、多様な分野にわたるエッセーや論文、小説コンテストにおいて11回の受賞歴を経てプロ作家に転身。独立し現在に至る。妖怪・UMA・UFO・都市伝説などの不思議分野において本格的な解説ができる作家としてテレビ・ラジオに多数出演。




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【UMA図鑑(42)】異次元人?!謎のヒューマノイド「スレンダーマン」
2014年03月21日

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 日本ではまだまだマイナーな存在だが、米国を中心に世界で噂され、子供たちを恐怖に陥れている怪人が「スレンダーマン」だ。日本で初めて紹介したのは、かくいう筆者である。

 筆者の高校時代の同級生が大阪で日本語学校の教師をしており、その生徒の中にいた都市伝説好きの米国人から情報提供された怪人がスレンダーマンである。その後、その能力や出現事件を東京スポーツ紙上で解説し、瞬く間に日本中の怪物マニアに広がった。

 スレンダーマンの身長は伸縮自在であり、180センチから大きい場合は3メートル以上にもなる。長身のヒューマノイドタイプの怪物で、黒ずくめの格好をしている。基本、黒いワイシャツにスーツといった姿で現れるが、これらのビジュアルは米国市民に蔓延する外部からの訪問者への潜在的な恐怖に裏打ちされているのであろうか。

 不気味なのは背中から何本もの黒い触手を生やしていることもある。その顔は真っ白な卵状であったり、のっぺらぼうのようでもあったりするが、人気コミック「20世紀少年」に出てくる“ともだち”のような顔面をしている。姿が人間に似ているが、その声を聞いたという事例はない。

 スレンダーマンは子供を狙うことが多いが、一度ターゲットとした人間をどこまでも追いかけてさらってしまうといわれており、テレポーテーション能力もあるため、一度目を付けられた人間は逃げ切ることができない。

 スレンダーマンの姿を捉えたという写真では、たいてい子供のそばにいたり、子供たちを遠くから影のように見守っているケースが多い。

 スレンダーマンの噂が頻繁に語られるようになったのはごく最近のことであるが、よく似た怪人物の報告や目撃例はかなり昔から存在していた。

 紀元前1300年ごろのエジプトの壁画に「触手を生やした盗賊」の姿が残されていたり、16世紀ドイツの版画家ハンス・フレッケンバーグの作品にもスレンダーマンを描いたのではないかと考えられる作品が存在している。

 1953年には「家に押し入って妻と娘をさらっていこうとしたスレンダーマンに抵抗した主人が妻を誤射してしまい、精神に異常をきたすこととなった」という「ヘンダーソンの馬牧場事件」が起きている。

 この事件から、スレンダーマンを目撃すると精神に異常をきたすといわれるようになった。他にも写真に収めるなどしてしまうと記憶喪失や妄想症、不眠症などの精神障害を発症し、血の混じった咳をする(鼻血を出すという説もある)という“スレンダー病”にかかるともいわれている。


 子供を狙い、見ると精神に異常をきたすという設定は日本の都市伝説「八尺様」と「くねくね」をかけあわせた存在であるといえるかもしれない。

 そんな恐怖の存在スレンダーマンは、実はウェブ発の創作であると指摘されている。2009年、「サムシング・オウフル」というサイトにて恐怖画像を作成する主旨のコンテストが行われた。そこでビクター・サージ氏が作成した画像と、それに添えられたテキストが人気を呼び、ネット怪談としてブレークしたという説が有力だ。

 シューベルトが歌曲とした「魔王」ではないが、暗がりに潜んで子供をさらっていってしまう悪鬼や妖怪の伝説は世界中に残っている。そんな伝説上の存在に対するプリミティブな恐怖が、スレンダーマンを創作の世界から都市伝説の世界へと召喚させ、現代の人さらい妖怪へと進化させたのかもしれない。

 

【youTube動画】Know Your Meme: Slender Man

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