チーム最年少の若侍が男気あふれる言葉を口にした。東京五輪・野球日本代表は7日、横浜スタジアムで米国代表を2―0で完封し、初の金メダルを奪取。稲葉監督、先発マウンドに立った森下とともに会見に姿を見せた村上宗隆内野手(21)は「たくさんの一流の先輩方と野球ができて誇りに思う」と胸を張った。

 今大会では最年少ながら「8番・三塁」で全試合先発出場。この日の大事な決勝戦では相手先発・マルチネスから値千金の先制ソロを叩き込んだ。「今日の試合は負けられない戦いだった。先発の森下さんが最初からギアを上げて素晴らしいピッチングをしてくれていた。あの流れで1点取ればジャパンの流れになるんじゃないかと思って打席に立った。うれしい1点だったが、本当にチームで取った1点だと思っている」とあらためて冷静に振り返った。

 21歳とは、とても思えない風格と居住まい。会見では稲葉監督からも直々に「これからのジャパンはお前たちが引っ張っていくんだぞという思いでやってほしい」とエールを送られた。その上で侍の背番号55は「僕は(ヤクルトに)入団するときに日の丸を背負って4番を打ちたいという目標を掲げた。今回、脇を固める役でチームの中軸という形ではなかったが、本当に脇を固めてくれる選手の気持ちもすごく分かった」とコメント。そして「ヤクルトに帰って、そういう方の気持ちも踏まえながら野球をしたいなと思った。また日の丸を背負って4番を打てるという時が来たら、その人たちの分まで、そういう気持ちをたくさん背負ってやっていきたい」とも続け、言葉に力を込めながら語った。

 重圧のかかる国際大会で大役を全うし、見事に大願成就。今大会を通じて成長を遂げた村上が、また一段とたくましさを増した。