頼もしい〝北の大地の若侍〟だ。東京五輪・野球日本代表の侍ジャパンは4日、韓国との準決勝(横浜)に5―2で勝利。無傷の4連勝で7日の決勝戦進出を決め、銀メダル以上が確定した。

 2―2でマウンドに立った伊藤大海(23=日本ハム)が躍動。先頭の8番・許敬民を遊ゴロに仕留め、続く黄載均はフルカウントから空振り三振を奪った。いずれもウイニングショットは得意球のスライダー。二死から四球を与えたが、最後は前の打席で適時打を放っている2番・DHの姜白虎を3球三振に仕留め、雄たけびを上げた。

 タイスコアのまま迎えた8回も続投した。3番・李政厚を左飛、そして4番・梁義智は三球三振。5番・金賢洙には左翼への二塁打を浴びて得点圏に走者を進めたもののあわてることなく次の代打・崔周煥をスライダーで詰まらせ、二ゴロに仕留めた。

 ルーキーのしびれる場面での力投が、8回裏の勝ち越しシーンを呼び込んだ。試合後は「ダッグアウトで(8回の勝ち越しを見ていた)。ここ何試合も終盤に打線が取ってくれているので、安心してみていた」と満面の笑み。自身の投球については「一球目から、思い切って自分のボールが投げられているのが一番。そこで抑えたらオイシイかなと思って、思い切ってやるだけかなと思う」と冷静に振り返った。

 7月31日のオープニングラウンド・メキシコ戦(横浜)で3点リードの6回から2回1安打無失点と好投。宿敵・韓国相手に負けられない準決勝でも2回1安打無失点と力投し、きっちりと流れを作った。

 侍ジャパン初選出ながらも東京五輪のひのき舞台でルーキーらしからぬ強心臓ぶりを発揮している。「プロ野球選手が多い中、その(東京五輪の)マウンドに上がるのはピッチャーとして誇らしいこと。そこに自分自身、食らいついて投げていくだけです」と〝男気〟をみせた。

 最後にも「投げたくてウズウズしているというか。普段先発なので短いイニングになると思うが、だからこそ思い切っていきたいと思っている」と強調。早くも決勝戦に向け〝スタンバイ〟していた。