強化試合初戦の楽天戦(楽天生命)に3―5で敗れたものの、稲葉監督は試合後「色々なことが起こって良かったんじゃないですか」と、むしろ前向きに捉えた。

 この日、右脇腹違和感で出遅れている柳田に代わり中堅に入った近藤が5回の守備で、楽天・ディクソンの放った強烈なライナーに目測を誤り二塁打にする場面があった。打線も初回に3点を奪って以降は沈黙。楽天投手陣の前に最後まで得点を奪うことができなかった。

 五輪本番であれば、いずれも敗戦に直結する致命的なミスや拙攻だったが、指揮官は「近藤選手に関しては、ああいう打球が逆に今日来てくれて良かったんじゃないかなと。全部がうまくいったらそれで終わってしまいますから」。

 そのうえで「色んな反省点もありましたけど、選手は反省しながらやってくれると思いますから」と、侍戦士の最終調整に全幅の信頼を置いた。

 幸い投手陣に関しては、28日の五輪予選初戦(対ドミニカ)に先発濃厚な山本が2回を1安打無失点。同31日のメキシコ戦に先発予定の森下も2回1失点ながら好投を見せた。

 この2投手に関してはメドが立っただけに稲葉監督も「いい球を投げていましたよ」と笑み。「それぞれが修正点を持ってくれたと思いますし、本線になったらもっと気持ちも出てくる。そういう意味でもそんな心配はしていません」と期待を寄せていた。