東京五輪の野球メキシコ代表の2選手が新型コロナウイルスに感染したことが判明し、メキシコ野球連盟とメキシカン・リーグが19日(日本時間20日)に発表した。

 陽性となったのは、ナショナルズを経て2019年にはDeNAでもプレーしたサミー・ソリス投手(32=現メキシカン・リーグのモンクローバ・スティーラーズ所属)と、元レッドソックスのヘクター・ベラスケス投手(32=現アストロズ傘下)。2選手は代表チーム全員が19日朝に受けたPCR検査で無症状ながらも陽性判定となり、直ちに隔離されたという。これにより同日午後の全体練習は中止となったが、今のところ代表チームが21日(同22日)に日本へ出発するスケジュールに変更はないとされている。

 ただ、あくまでも「現時点」の情報で、その後の調査で濃厚接触者が代表チーム内で広がった場合、代役メンバーがそろわず急きょ来日できなくなる可能性もあり得る。

 野球メキシコ代表は今回が五輪初出場。侍ジャパンと本大会のオープニングラウンドで同じA組に入っており、31日には日本戦(横浜)が組まれている。

 仮にメキシコが不参加となると、IOC(国際オリンピック委員会)が今月10日に新たに発表した新型コロナウイルス関連の規約「東京2020 スポーツ・スペシフィック・レギュレーション(SSR)」に基づき、東京五輪の野球競技は5つの代表国(日本、米国、ドミニカ共和国、韓国、イスラエル)のみの1グループ総当たり戦に変更される。そして上位2チームが決勝戦に進み、3位と4位のチームは銅メダルを争うことになる。

 同組対戦国のメキシコが来日直前になって〝コロナショック〟に見舞われている現状に、侍ジャパンの稲葉監督は「こればっかりは対策をしていてもどうなるかわからない。自分のチームでもなりえる可能性があるということ。メキシコのメンバーが当然替わってくるというところも含め、いろんな想定をしながら、準備をしたい」と慎重な発言に終始した。