信頼は揺るぎないようだ。DeNAの山崎康晃投手(28)が今月中に発表される東京五輪の最終登録メンバー24人に残る可能性が高まってきているという。

 昨年はシーズン序盤に1年目から務めてきたクローザーを三嶋に譲るなど苦しんだ。0勝3敗6セーブ、防御率5・68。プロ6年目で初めて大きな挫折を味わった。その間に西武・平良、広島のルーキー・栗林ら〝新興勢力〟も台頭した。それまで侍ジャパンでも守護神を務めていた山崎だが、球界内では「さすがに東京五輪のメンバーには選出されないのではないか」との見方が強まっていた。

 だが、山崎は明らかに復調の兆しを見せつつある。6日のロッテ戦(横浜)こそ8回から1イニングを投げ、2点リードを守れず3安打2失点を喫したが、今季は7日現在で29試合に登板し3勝1敗13ホールド、防御率2・22。セットアッパーとして勝利の方程式に加わり、交流戦首位躍進の原動力となっている。

「稲葉監督も視察した上で『十分いける』と確信を持っているようだ。それに加えて康晃には最も重要な評価ポイントがある。確かに平良や栗林らフレッシュな守護神候補に目が注がれがちだが、やはり国際試合は経験の差が大きくモノをいう。世界一になった(2019年の)プレミア12でも康晃は侍の守護神として胴上げ投手になった。ここまで蓄積してきた彼の経験値は何物にも代え難い。稲葉監督もギリギリまで悩むと思うが、康晃が守護神候補の一人なのは間違いない。ただ、彼に対しては選考段階において『まだ、ベストの時と比較して70%ぐらい』と指摘する声があるのも事実。その点を加味すると、守護神ではなくブルペン要員として最終選出される可能性はあると思う」(侍ジャパン関係者)

 山崎自身も東京五輪出場には誰よりも強いこだわりを抱いている。その思いは結実するのか。正式発表が注目される。