WBC延期で…日本選手のメジャーの夢も延期危機

2020年05月13日 16時30分

17年のWBCでメジャー関係者から注目の的となった菅野(左)と千賀

 夢への挑戦も“先延ばし”となってしまうのか。来年開催予定だった第5回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の延期を複数の米メディアが報じた。早くとも2023年3月、それ以降ともいわれる中、懸念されるのが、メジャー行きを夢見る、NPBプレーヤーの今後だ。多くのスカウトも注目する「見本市」の長期延期は、メジャー“流出”のペースを鈍化させることになりかねない。

 今オフ以降、MLB挑戦を狙う選手にとって、WBCも五輪も重要な国際大会には違いない。しかし、大物メジャーリーガーも出場するWBCは、メジャーを目指す選手にとって、より重要な舞台となるはずだったが、2年以上の延期…。アピールの場を失ったショックは決して小さくない。

「プレミア12とか昔より国際大会は増えたけど、やっぱり(メジャーへの)本当のショーケース(見本市)はWBCですよ」と語っていたのは、巨人・岩隈久志投手(39)だ。

 17年の前回大会ではMLBのトッププレーヤーが続々参加。まさに“通用するか”が問われる場でもあり、各国の本気度も高まってきた。他の国際大会もあるが、岩隈いわく「この前のプレミア。ある国の配球をイニングごとに見てましたけど、ゲームの前半と後半、まったく組み立てが一緒だったんですよね」。WBCほどの意気込みは感じられなかったという。

 ここまで語るのも、岩隈がWBCで人生が変わったからに他ならない。09年の第2回大会で、参加した全投手で最多となる20イニングを投げ、わずか3失点。大会の優秀選手に選ばれたが、その活躍はMVP級だった。

 大会前までは、あまりメジャーへの意識がなかった岩隈も「WBCでその気になりましたからね」と語る。その年のシーズンから、メジャーのスカウト陣の岩隈徹底マークがスタートした。

 17年の第4回大会では巨人・菅野、ソフトバンク・千賀は多くのメジャー関係者が見守る中でポテンシャルの高さを披露。有力候補としてマークされるようになった。しかし、WBCという“近道”が閉ざされた、2人以降の選手はレギュラーシーズンでひたすらアピールし続けるしかない。ともすると代理人、スカウト陣の判断基準もやや慎重なものになりかねない。

 新型コロナウイルスの影響で、多くのスポーツイベントが中止、延期に追い込まれた。トッププレーヤーの夢への挑戦が“延期”の憂き目に遭わないことを願うばかりだ。