稲葉監督 コロナ禍でライバル偵察できない!?

2020年03月14日 16時30分

米国行きが中止となった稲葉監督

 コロナ余波が止まらない。世界野球ソフトボール連盟(WBSC)は12日(日本時間13日)、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、22日(同23日)から米アリゾナ州で開催予定だった野球の東京五輪米大陸予選を延期すると発表した。視察予定だった侍ジャパン・稲葉篤紀監督(47)は金メダルへのシナリオを狂わされ、13日(同14日)にはトランプ米大統領が国家非常事態を宣言した。さらなる状況悪化で「米国行きNG」となればライバル国のチェックも一切できなくなる。

 球界関係者の間でも動揺が走った。新型コロナウイルスの感染拡大に歯止めがかからず、WBSCは22~26日(日本時間23~27日)に米アリゾナ州のテンピとサプライズで行われる予定だった野球・東京五輪米大陸予選の延期を発表。公式サイトでは理由について「選手や観客らの健康を考慮した措置」とされ、新たな日程も明らかにされていない。コーチ、スタッフらとともに現地入りし、参加国のデータ収集を行うつもりだった稲葉監督としても渡米直前に肩透かしを食らった。

 米大陸予選には米国、キューバ、ドミニカ共和国、プエルトリコ、ベネズエラ、カナダ、ニカラグア、コロンビアの8か国が参加する予定。日本はすでに東京五輪の開催国として出場権を得ていることもあってスタンドから“高みの見物”を決め込むつもりでいたが、ライバル国の戦力チェックは白紙に戻された。

 侍ジャパン関係者は「正直、慌てている」。同予選は米大陸のカテゴリーに属する強豪国がしのぎを削る、貴重な情報入手の場。特にMLBと同選手会がメジャー40人枠に入り、ベンチ枠26人から外れた若手有望株やベテラン選手の東京五輪への派遣を先月末に認めることで合意したことも、米大陸予選の視察を重要視する要素となっていた。米国代表をはじめ北中米各国のチームには手ごわい“メジャー予備軍”が続々と加わり、予想以上のレベルアップにつながると見込まれている。

 さらに、たとえ米大陸予選の新たな日程が発表されたとしても、同予選は新型コロナウイルス感染拡大の余波により無観客試合での決行となる可能性も高まっており「そうなると稲葉監督の現地入りにストップがかかるのではないか」との声が上がっている。13日(同14日)にはトランプ米大統領が国家非常事態を宣言しただけになおさらだ。

「観客を入れずにスタンドも開放されなければ、現地での生チェックはまず不可能。WBSCが情報収集でやって来る相手国のためにわざわざパスを用意してくれるなんていう都合のいい話はどう考えても通らないでしょう。米大陸予選に参加する国も認めてくれるはずがない。米大陸予選を勝ち抜いたチームの情報がゼロのままになることも考えられる」(侍ジャパン関係者)

 無観客試合とならなかった場合でも別の心配が付きまとう。トランプ大統領は欧州から自国への渡航を30日間停止する措置を発表したばかり。現時点で日本は対象国となってはいないものの、3日(同4日)に同大統領は韓国、イタリアとともに「日本をとても注視している」と語っていたこともあり、いつ“トランプの一声”が発せられても不思議はないからだ。

 チーム周辺からは「それこそ日本にも入国拒否が下されれば、現地入りは不可能。あるいは米大陸予選の視察に行けることになったとしても、米国への移動中に緊急大統領令が発令されて『今、機内にいる者も対象』となり、稲葉監督が米国に降り立った途端に14日間の隔離措置を命じられたら…。シャレにもならない」と危惧する声が上がっている。