侍ジャパン首脳陣が深刻対立“三塁は松田宣か岡本か”五輪金メダルへ不安

2020年01月12日 11時00分

プレミア12では最年長選手として奮闘した松田宣

 東京五輪での金メダル取りが期待される野球日本代表・侍ジャパンが、その人選をめぐって紛糾していることが分かった。稲葉篤紀監督(47)は10日の「テレビ朝日ビッグスポーツ賞」表彰式で金メダルを力強く宣言したが、首脳陣間で意見が分かれているのが三塁手問題。今後は公式戦開幕後に進められる24人のメンバー選考が注目となるが、日本一のムードメーカーか、名門の若き大砲か。声は真っ二つだ。

「オリンピックに向かって、とにかく皆さんの期待に応えていきたい」。ゴルフの渋野日向子(21)、水泳の瀬戸大也(25)らと並んだ華やかな壇上で、稲葉監督は悲願の五輪金メダル獲得を声を大にして誓った。

 表彰台の頂点へ、鍵を握るのが五輪メンバーの選考。稲葉監督は世界一に輝いたプレミア12を勝ち抜いた28人のメンバーについて「気持ちの強い選手の集まりだった」とたたえた上で「今年もそういう思いで選手のことを見ていきたい。(五輪メンバーの選考は)プレミアの選手が土台になってくる。とにかくシーズンをしっかり戦うこと。私も経験がありますけど、五輪というより、まずはシーズンをしっかりやる。今年は開幕も3月20日と早いので、しっかり調整して波に乗るというのが選手としてやること」とポイントを挙げた。

 プレミア12では開幕直前の辞退者問題に頭を悩まされたこともあり、稲葉監督が28人のプレミア組へ寄せる思いは格別なものがある。故障や体調不良以外の理由でプレミア12の代表入りを蹴った数人の選手について、今季開幕からどれだけ活躍しようが「二度と呼ばない」と名指しで宣告していた首脳陣もいる。とはいえ、勝ちに行くためには新たな力も必要だ。侍スタッフは「すでに稲葉監督も各所で触れている通り、ソフトバンクの柳田と千賀、巨人の菅野の3人は状態、コンディションに問題がなければ“当確”でしょう」と話す。

 それ以外のメンバーは故障やよほどの不振でない限りプレミア組が主体となりそうだが、侍首脳陣間でもいまだ激しく意見がぶつかり、結論が出ていないのがプレミア12では松田宣(ソフトバンク)と外崎(西武)が守った三塁。首脳陣の中には巨人の岡本和真内野手(23)を選ぶべき、という根強い声がある。

「外崎は三塁以外も内外野守れるユーティリティープレーヤーでベンチメンバーとして欠かせない。問題は正三塁手。コーチの間でも『重圧が段違いの五輪だからこそ、ムードメーカーとしての松田は必要』という意見と『一発で局面を変えられる岡本こそ侍に足りないピース』との主張がぶつかっています」(前出の侍スタッフ)

 プレミア12では最終的に稲葉監督が松田宣を選択。“熱男”は期待されたムードメーカーとしての役割を存分に果たし、若い侍たちの戦意を大いに盛り上げた。一方で肝心のバットは24打数3安打の打率1割2分5厘と湿りがちで、決勝の韓国戦では外崎にスタメンを譲った。それでも稲葉監督は大会後、数字に表れない松田宣の貢献度を高く評価。「本当に呼んでよかった」と言葉を残している。

 一方で昨季2年連続で30本塁打(31本)を達成した岡本は今や巨人の不動の4番に成長。課題だった守備も年々堅実さを増しており、一塁、三塁に加えて左翼もそつなく守った。外野も守れるのは外崎同様、大きなアドバンテージ。年明けのトークショーでは師匠でもある侍ジャパンの井端内野守備走塁コーチから、丸とともに「欠かせない、出てほしい」と代表入りを熱望された。

 絶対的なムードメーカーと盟主の若き主砲。理想はどちらも選びたいところだが、五輪メンバーはプレミアよりさらに4人少ない24人。「稲葉監督は松田の熱い気持ちを高く買っています。一方では球界の未来への思いも強く、将来を担う人材として岡本への期待も高い。プレミアでは松田が選ばれましたが、今は五分五分。ギリギリまで悩むのではないでしょうか」

 冒頭の稲葉監督のメッセージを素直に受け取れば、勝負はシーズン開幕後。五輪を前にどちらが「波に乗れるか」が明暗を分けそうだ。