【プレミア12】高橋礼が稲葉監督へ「お礼」の快投

2019年11月07日 16時30分

地面スレスレからの投球で快投を演じた高橋礼

【台湾・桃園6日発】侍のサブマリンが救世主になった。侍ジャパンは国際大会「プレミア12」の1次ラウンドB組・プエルトリコ戦(桃園国際野球場)に臨み、4―0で快勝。無傷の2連勝でスーパーラウンド進出を決めた。ヒーローは先発の高橋礼投手(24)だ。6回1安打無失点と好投。初戦は薄氷の勝利で不安ムードいっぱいだったチームに勇気を与えた。その裏側には稲葉篤紀監督(47)が発案した“バースデーサプライズ”もあった。

 圧巻の投球だった。侍のサブマリン・高橋礼は“快投乱麻”の投球で強力プエルトリコ打線を翻弄した。要所で変化球も織り交ぜ、内角高めに浮き上がる軌道の直球を多投。内野ゴロの山を築き、圧巻の投球を見せた。

 6回二死までは一人の走者も許さず、外野に一度も打球を飛ばさせなかった。打者18人目から四球、左前打と連続出塁を許し、二死一、二塁としたものの、きっちりと後続を断ち切った。6回を73球、1安打1四球無失点。24歳の若侍には球場の台湾ファンも感嘆の声を上げた。

 沖縄合宿で患った発熱のため調整が遅れた岸(楽天)に代わり、先発の大役を任された。大舞台でも萎縮することなく満点投球を見せた高橋礼は「自分の武器といえば、真っすぐでしっかり押すこと。ストレートを軸にストライク先行でいけた。打者が合っていないなと感じたので、そこから変化球を曲げたり、落としたりしていったのもすごく大きかった」と振り返った。

 プエルトリコのゴンザレス監督も「高橋のようなスタイルの投手はプエルトリコ国内にはいない。アンダースローで変化球もしっかりと駆使し、ストライクゾーンの右左に投げ分けられ、なかなか打てない投手だった」と完全に脱帽の様子だった。 

 侍ジャパンは前夜、初戦のベネズエラ戦で青息吐息の辛勝。そんなチームの嫌なムードを高橋礼は好投によってガラリと変え、1次ラウンド突破へと導いた。稲葉監督は「非常に素晴らしいピッチングをしてくれた」と目を細めたが、指揮官の“粋な計らい”も高橋礼の好投と無縁ではなかったようだ。

 台湾入りした2日のこと。チームは約370個の機内預け荷物を桃園国際空港で受け取った関係で宿舎到着までやや時間を要し、誰もが疲労困ぱい気味。それでも、ようやくバスで宿舎に到着すると、チームの全員が一転してほっこりするシーンがあった。ちょうどこの日に24歳の誕生日を迎えた高橋礼にサプライズが用意されていたのだ。侍ジャパン関係者はこう明かす。

「稲葉監督の号令の下、スーツ姿のままホテル内のレストランに集まると、ホテルスタッフから『HAPPY BIRTHDAY REI』と書かれたデコレーションケーキが運ばれてきたのです。これには何も知らなかった高橋も大感激。侍ジャパンで普段の彼は寡黙でおとなしい感じの選手なのですが、この時ばかりはこれ以上ないぐらいに満面の笑みを浮かべて『ありがとうございます!』と何度も口にし、本当にうれしそうでした。ケーキ上にさされた24個のロウソクの火を一気に吹き消すと皆から一斉に拍手を受け、さらにチームに溶け込んだ感じでしたね。実はこのバースデーケーキプランも稲葉監督が発案したものと聞いています」

 指揮官の気配りに感激し、高橋礼が第2戦先発マウンドで発奮したのは言うまでもない。秘密兵器・侍のサブマリンの本領発揮、そしてスーパーラウンド進出決定――。稲葉監督も確かな手応えをつかんだはずだ。