野球日本代表「侍ジャパン」は1日、11月に開催される国際大会「プレミア12」に出場するメンバーとして、巨人の坂本勇やソフトバンクの千賀ら28人を発表した。稲葉監督は東京都内で記者会見し「とにかく優勝を目指していく。最高のメンバーが組めた」と述べた。

 稲葉監督が「どうやっていいチームにするかを重点に考えた」という今回の選考で、何よりも目を引くのがソフトバンク・周東佑京外野手(23)だろう。出場国の視察を重ねる上で「終盤での1点が大事になる」と実感した指揮官は「警戒されている中でスチールできて、二塁からヒット1本で生還できる」と、その快足にぞっこんだという。

 その周東は育成出身の2年目で今季支配下に昇格したばかり。主に代走で25盗塁をマークした足のスペシャリストだ。周東は「信じられない気持ちです。すごい選手ばかりなので人見知りする僕としては緊張しています」と初々しく話した。

 30メートル走で3・8秒台を叩き出す鬼脚を誇る。外野前進の中で三遊間を抜く当たりで二塁から生還するなどチームでは終盤の切り札でもある。実質1年目ながら突出したいだてんぶりには球団も大注目。「(盗塁世界記録を持つ元阪急の)福本さんが馬と競走した話じゃないけど、あの足をもっとアピールできたら」(球団関係者)

 実際、来年春のリニューアルオープンに向けて準備が進められているヤフオクドーム隣接の「王貞治ベースボールミュージアム」では「王会長の偉業はもちろんのこと、若い層にもアピールできる施設にしていきたい」(球団フロント)。リアルなスピードで動く“バーチャル周東”と競走できるアトラクションも検討されているという。

 昨年も育成選手ながらU―23W杯に選ばれて稲葉監督のもとでプレーした周東。大舞台でも快足をアピールできるか。