【U18W杯】台湾戦敗戦後に“公開説教”の内幕

2019年09月04日 16時30分

勝ち越しの3ランを放つ石川。侍4番の本領発揮だ

【韓国・機張発】「第29回WBSC U18ベースボールワールドカップ」高校日本代表は3日、ヒュンダイドリームボールパークで行われたパナマ戦に5―1で6回裏途中降雨コールド勝ち。1次リーグ4勝1敗でスーパーラウンド進出を決めた。ただ、前夜の台湾戦敗戦後は仲井宗基ヘッドコーチ(八戸学院光星監督=49)が激怒する事件が勃発。この騒動の余波が心配されている。

 日本は先発の西(創志学園=3年)が6回を4安打1失点。2回には守備の乱れから1点を失うが、雨でグラウンドコンディションの悪い中、粘り強い投球で相手を翻弄する。打線は同点の5回、先頭の森(桐蔭学園=3年)が三塁打で出塁すると、四球を挟み4番石川(東邦=3年)が勝ち越しの3ラン。これで勢いをつけると6回には8番水上(明石商=3年)がダメ押しのソロ、さらに満塁としたところで豪雨となり、6回途中降雨コールド勝ちを決めた。

 台湾戦に敗れた前夜には“事件”も起こっていた。宿敵米国を下したことで浮ついていたのか、ナインはミーティングでも上の空、雨天中断中に一部の選手が鼻歌を歌うなど締まりのない雰囲気で、敗戦後、見かねた仲井ヘッドコーチがバスに乗り込む前のナインを集め「ええかげんにせえよお前ら! 負けてこんなん言いたかないが、我慢の限界や。裏方のセンセは徹夜でデータ作ってくれてんねんぞ。それを歌なんか歌いよって、ええ!? 虚勢張んなや!」と一喝。車内でも永田監督が「お前ら(全国の高校球児)15万人の代表やぞ。やる気のないやつはユニホームを脱げ!」とあらためてナインをたしなめ、気まずい沈黙が訪れた。

「キツい言葉は僕は言ってない。ヘッドコーチがだいぶ言ってくれている。ちょっと気持ちの面で抜けてるところがある」と永田監督。主将の坂下(智弁学園=3年)は「自分自身、プレーで引っ張れていない。声や背中でチームを引っ張っていきたいと思ってるんですが…」と責任を口にする。連日ヒーローの石川も「いつもは(チームで)主将の自分が注意する立場なんですが、昨日は自分もたるんでいた。中断しているときに、負けているときの態度ではなかった。暗くならないようにしていたつもりなんですが、ちょっと勘違いしていました」と反省しきりだが、一方で騒動の波紋も広がっている。

 高野連の竹中事務局長は「言わなアカンことはわかりますが、マスコミの前で言うたのはまずかったかな。怒るのはバスの中でもよかった。まあ、仲井さんの関西人らしい気質が出てもうたいうことですな」と苦笑しながら話したが、スタッフの一人は「代表選手は各校の練習環境や指導方法もそれぞれ。東邦や桐蔭学園など、最近はエンジョイベースボールで怒られたことの少ない子もいる。あれで萎縮しないといいのですが…」と気にかける。

 一夜明けたこの日の試合前、仲井ヘッドは「怒ったわけじゃないですよ。試合中のミスは仕方ない。ミーティングからヘラヘラヘラヘラ、気の抜けた態度やったから頭にきたんです」と話し、試合中にも変わらずゲキを飛ばした。

 チームは4日、英気を養うための決起会を予定。事件の余波が気になる中、いよいよ始まるスーパーラウンドに向け、負けられない戦いが続く。