大谷3勝目逃すもメジャー先発投手今季最速163キロ! ベテラン球審をも魅了

2018年04月26日 11時30分

ベンチに引き揚げる大谷(左)に右手親指を上げるサムズアップのポーズで声をかけるクーパー球審

【テキサス州ヒューストン25日(日本時間26日)発】メジャー先発投手今季最速だ。エンゼルスの大谷翔平投手(23)は前夜のアストロズ戦に先発し、5回1/3を投げ、6安打4失点、7三振5四球。勝利投手の権利を持って降板したが、2番手が直後に逆転弾を浴び、メジャー史上初となる4月の3勝&3本塁打の実現の可能性はほぼ消滅した。しかし、メジャー自己最速の101マイル(約163キロ)を2度計測するなど、100マイル(約161キロ)以上を6度マークし、全米は騒然だ。

 大谷は昨季の世界一軍団相手に真っ向勝負を挑んだ。敵地ミニッツメイド・パークが騒然となったのは5回だ。先頭打者を歩かせて9番フィッシャーに2ランを浴び、1点差に迫られた。さらにスプリンガーに右前打されるとギアを上げた。警戒していたアルテューベを空振り三振、3番コレアも二飛に打ち取った。4番レディックを迎えるとギアをトップに入れた。3球目に101マイルを計測、4球目は100・7マイル、そして6球目に再び101マイル。7球目のスプリットで右直に仕留めた。力と力、意地と意地がぶつかり合ったまさにメジャーの戦いだ。

 ただ、反省点も。この日は制球が悪く、メジャー自己ワーストの5四球。5回と6回に先頭に与えた四球は失点に結びついた。

 一夜明けて地元紙は大興奮、ロサンゼルス・タイムズ紙(電子版)は「エンゼルスの大谷翔平、100マイル以上を投げる」と報じ、オレンジカウンティー・レジスター紙は「シモンズの2本塁打、大谷は101マイルを計測し、アストロズを乱打戦の末下す」という見出しをつけ、「シャープなスプリッターも投げ、マメは問題にならず」と伝えた。

 驚いたのは両軍の選手、ファン、報道陣だけではなかった。4人の審判団、とりわけ球審を務めたメジャー審判歴22年のエリック・クーパー氏(51)に強烈なインパクトを与えたようだ。

 球数が98に達した6回一死一塁。降板を告げられた大谷はソーシア監督にボールを手渡してゆっくりと三塁側ベンチに歩を進めた直後、メジャーリーグでもあまり目にしない、光景が繰り広げられた。

 クーパー球審がまもなくファウルラインをまたごうとしていた大谷に声をかけたのだ。大谷は意外な方向からの声に一瞬、戸惑った表情を見せるも、すぐに会釈をして言葉を返した。クーパー氏は右手親指を上げる“サムズアップ”のポーズを見せていた。

 大谷は試合後、この場面について「近かったので、『ありがとうございました』『お世話になりました』と(笑い)」と説明した。投手交代時の球場には音楽が流れ、大谷への拍手、歓声も起こっていたので、球審の声を聞き取れなかった可能性もあるが、“サムズアップ”から「グッド!」あるいは「グッジョブ!」を感じただろう。

 大谷がこの日、マークした101マイルはメジャー自己最速であると同時に、今季のメジャー先発投手最速だ。球速が上がる状況について聞かれると「勝手に」と説明。「いいシチュエーションで、やっぱり点をあげたくなかったりとか、打者も素晴らしい打者が並んでいる中で、自分の持っているもの、またはそれ以上のものを出したいなという、そういう気持ちじゃないかなと思う」

 自己最速は日本ハム時代の165キロ。2016年10月16日のクライマックスシリーズ・ファイナルステージ第5戦のソフトバンク戦で救援登板した9回にマークした。「165(キロ)を投げた時はポストシーズンだった。特に(コンディションなどの)ピークとかはなく、自分の体の状態がいい時と、あとは、ゲームのシチュエーションがマッチしたときに、たまたま出るような感じだと思います」とも。

 今季のメジャー最速はカージナルスの21歳の救援右腕ヒックスが17日(同18日)のカブス戦で2度記録した101・7マイル(約163・67キロ)。大谷の次回登板は中6日なら、5月1日(同2日)の本拠地オリオールズ戦になる。最速更新に期待だ。