巨人・山口俊 14K快投2勝の裏に由伸監督の“勝利球ゲキ”

2018年04月18日 16時30分

完投勝利の山口俊をねぎらうマギー(左)と小林

 FA右腕が大仕事をやってのけた。巨人・山口俊投手(30)が17日のDeNA戦(新潟)に先発し、チーム一番乗りとなる完投勝利で2勝目を挙げた。8連勝中のベイ打線を2失点に抑え、14奪三振の力投。チームも3―2で競り勝ち、登板過多の救援陣も休ませる価値ある1勝となった。首脳陣の評価も右肩上がりだが、好投を続ける背景には高橋由伸監督(43)からの“叱咤”があった。

 寒風が吹き付けるマウンドを最後まで守り切った。3回に連続適時打で2点を失ったが、4回以降は無安打で5イニング連続で三者凡退に封じた。この日の相手先発は地元・新潟出身の飯塚とあってアウェーの雰囲気もあったが、133球を投げ、奪った三振は6者連続を含む自己最多の14個。敵地でヒーローとなった右腕は「勝ててホッとしています。尻上りに良くなってきて完投できた。まだいけた? けっこういっぱいいっぱいです」と苦笑いしながら汗を拭った。

 チームにとっても大きな1勝だ。投手陣を見渡せば、先発陣が早期降板するケースが目立ち、開幕からブルペン陣がフル稼働の状態が続いていた。そのなかで山口俊は今季登板した全3試合でクオリティースタート(6回自責3以下)を達成。週のカード初戦をものにするだけでなく、救援陣の負担も軽減する活躍で、試合後の首脳陣には安堵の表情が広がった。

 由伸監督は「スタミナもあるし、最後の最後まで力強く腕を振っていた。気合も感じたし、カード頭は大事。そのゲームでいいピッチングをしてくれたのは大きい」と目を細め、斎藤投手総合コーチは「素晴らしい!」と絶賛。ブルペン担当の豊田投手コーチも「最高の形」と最敬礼だった。

 日増しに存在の大きさを増す右腕に対しては、実は指揮官からウイニングボールを通じた“ゲキ”が飛んでいた。今季初登板で初勝利を飾った3日の中日戦(ナゴヤドーム)、山口俊はこの日が誕生日だった指揮官にウイニングボールを手渡したのだが、待ち受けていたのは予想外の反応だった。試合後、由伸監督に「ウイニングボールって大事にしてる?」と呼び止められ、手元に戻ってきたのだ。

 タフネス右腕もプロ初完封や初の2桁勝利を飾った試合など特に思い入れの深い記念球を自宅に飾っているが、この日の登板は昨夏に自身が引き起こした泥酔暴行騒動から初めての一軍登板。このやりとりには指揮官の“忘れるなよ、これからだぞ”という思いも込められていた。

 その気持ちをくみ取った山口俊も、他のボールとともに自宅に飾るつもりでいる。トラブルなどで昨季をほぼ棒に振った分、今後も白星を重ねて信頼を取り戻していく。