<ヤクルト3-2阪神(13日)>復活を期す阪神・藤浪晋太郎投手(24)が13日のヤクルト戦(甲子園)に先発し、7回1失点の好投をみせた。2回に3連打を浴びて1点を失いながらも要所を締める投球。勝ち負けはつかなかったものの、わずか2四球と課題の制球面でも進展を見せ「練習でやってきたことができた。落ち着いて投げられたし、いい感じだった。粘り強く投げられたのがよかった」と手応えをつかんだ。

 今回の登板に向けては志願して2日連続でブルペンに入り、左手の使い方に工夫を凝らすなどフォーム改善に着手。この日も「ストライクがほしくなると体が突っ込みがちになるのでそれを防ぐための意識付け」とマウンド上で“弓引きポーズ”を繰り返すなど、とにかく結果を出そうとなりふり構わずだった。

 ただ、これで合格というわけではない。藤浪は「これでダメなら二軍といわれていたが、それで開き直っていくことができた。ダメならまた練習すればいいと思っていった」と振り返ったが、チーム関係者は「登板前に『ダメなら二軍』と言われるのはなかなかない。それだけ藤浪が首脳陣から厳しい見方をされているということだろう。今回だけで失った信頼を取り戻せたというわけではない。何度も好投しないと」と、さらなる活躍を促す。

 金本知憲監督(50)の評価も「過去2回よりは安定していていい投球をしてくれた。次の方が大事。果たして今日の姿が本当なのかどうか。次また乱れるようなら、また元に戻るだろうし」と微妙なもの。次回登板で再び乱調となれば即二軍落ちという可能性もある。藤浪は「続けないと意味がない。一回だけでは意味がないので」と気を引き締めたが“追試”の日々は続きそうだ。