中日・松坂大輔投手(37)が開幕投手の心得を説いた。26日、ナゴヤドームでの投手練習に参加。オープン戦最多の93球を投げた前日25日のロッテ戦(ナゴヤドーム)から一夜明け「普通にやれてますけど」と順調さをアピールした右腕が、気にかけているのは開幕投手に抜てきされた小笠原慎之介投手(20)のことだ。

 球団史上最年少で初の大役に指名された3年目左腕に向け、松坂は「開幕投手だからといって特別な準備をすることはない。大事な試合ではあるけど、いつも通りに準備したらいいと思う。いつも通りにマウンドに立てれば、おのずといい結果が出るはず」と助言を送った。

 西武時代の松坂は高卒1年目にいきなり16勝5敗の好成績を収めてチーム内の信頼を得ると、翌2000年から6年連続で開幕投手を務めた。06年にメジャー移籍後もレッドソックスで08年に任され、日米通算7度も開幕投手の経験を持っている。

 ところが、意外にも開幕戦の成績は1勝3敗(3試合は勝ち負けなし)と芳しくない。

 そのため松坂は「だから僕から言うことは何もないんですけど…」と言いつつも、キャンプ中から様々なアドバイスを送ってきたかわいい後輩を放ってはおけない。自身の苦い経験も踏まえて、平常心で臨むよう強調した。

 日米通算164勝を誇るレジェンドの教えを伝え聞いた小笠原は「その通りだと思います。いろんな人からそういうことは言われているけど、気にかけてもらって、そう言ってもらえることはありがたいです」と感謝する。

 横浜高で1998年に甲子園で春夏連覇の偉業を達成した松坂が、同じ神奈川の東海大相模で15年夏に甲子園優勝投手となった小笠原にシンパシーを感じていても不思議はない。

 30日の広島との開幕戦(マツダ)に臨む小笠原が“松坂師匠”に勝利という結果で応えることができるか。