ヤクルト・石井コーチが力説「4番・青木」の狙い

2018年03月21日 11時00分

公式戦での「青木4番」はあるか?

【赤坂英一 赤ペン】「4番は青木に打たせる手もありますよ。バレンティンじゃなくてね」

 ヤクルト・石井打撃コーチが浦添キャンプ中、チラリとそんな構想を漏らしたときは、本気か?と思った。小川監督が以前「青木を生かせるのは1番だけです。彼はクリーンアップには向かない」と言っていたのを覚えていたからである。

 小川監督はシーズン中に監督代行に就任した2010年、98試合で59勝36敗3分け。6割2分1厘という驚異的な勝率を記録した。その快進撃の要因の一つだったのが、3番だった青木を1番に回した配置転換である。当時、小川監督はこう説明してくれた。

「青木はとにかくヒットを欲しがるタイプの選手なんです。チームのためとか、走者をかえさなきゃとか、そんな役割を意識させたら、かえって自分の打撃ができない。1番で好きなように打たせてこそ、持ち味が生きる」

 10年近く前、3番から外された打者に4番を任せられるのか?と首をひねっていたら、ヤクルト首脳陣は3日の巨人戦で早くも「4番・青木」をテスト。バレンティンや畠山と併用しながら適性を探っている。この狙いは何か、石井コーチに改めて聞くと「つなぎの4番ですよ」と、こういう答えが返ってきた。

「バレンティン、畠山、雄平でクリーンアップを組むと、足が使いにくくなるでしょう。チャンスで一発が出る確率は高いけど、逆に併殺打で得点機をつぶす危険性もある。その点、俊足の青木だったら、最悪でもゲッツーはない。走者はかえせなくても、後ろの畠山や雄平につなげますからね」

 さらに、バレンティンを3番に入れられる効果も小さくない、という。

「相手バッテリーにすれば、1番・山田、2番・川端が塁に出ると、その次にバレンティンと対戦しなきゃいけないんで、初回からプレッシャーをかけられる。そこで点が取れなくても、2回先頭が足のある青木になるというプラスもあります」

 かつて小川監督が指摘した「ヒットを欲しがるタイプ」であることも「その性格を4番で生かしたらいい。走者のいる場面で青木が自分の打撃をすれば、何かが起こる確率も高くなるしね」と石井コーチは言う。

 同じ選手でも、指導者の考え方次第で、かくも生かし方が変わるのだ。ヤクルトの新打線が広島あたりを食えば、今年のセ・リーグは面白くなる。