大谷7失点炎上 米メディアが禁断質問

2018年03月17日 13時00分

思わず天を仰いだ大谷

【アリゾナ州テンピ16日(日本時間17日)発=伊藤順一、青池奈津子】エンゼルス・大谷翔平投手(23)がロッキーズ戦に先発し、1回1/3で自己ワーストの7失点と大炎上して初黒星を喫した。初回こそ無失点で切り抜けたが、2回は死球を挟んで2本塁打を含む6連打され、5回を投げるはずが“TKO”された格好だ。実戦4試合で計8回1/3を投げて17失点。試合前、メディアを前に「我々は彼を信じている」と話していたマイク・ソーシア監督(59)にとっても頭の痛いところだろう。

 当初は5回を投げる予定だった。しかし2回、7失点した直後に4番ストーリーから三振を奪った時点でこの回の球数が30球に達し、ベンチは交代を決断した。チケットが完売するほど大盛況だった本拠地・ディアブロ・スタジアムの観客席からはため息が漏れる。大谷はマウンドへやってきたソーシア監督に力なくボールを手渡すしかなかった。

 課題の立ち上がり、ストレートが右打者の内角高めに抜ける。昨年のナ・リーグ首位打者・ブラックマンにはフルカウントから四球。一死後には2015、16年に本塁打王と打点王の2冠に輝いたアレナドに中前へ運ばれて一死一、三塁のピンチを背負う。

 それでもストーリーからストレートで空振り三振を奪うなど無失点で切り抜けたが、2回につかまった。先頭のデスモンドに甘いストレートを左中間席に放り込まれ、次打者アイネッタに死球。そこから4連続単打で3点を追加されると、とどめにアレナドの3ランを浴びた。

 降板後に取材対応した大谷は前回と同様に立ち上がりが良くなかった点を反省しつつも「もうひと押し、しっかり腕を振ることによっていい形で押し切れれば2イニング目もいけたと思う」と炎上劇をポジティブにとらえた。打たれだしたら抑えが利かない現状にも「今はフォークを引っ掛けている。そこがちょっと計算できないところ」と精度さえ上げられれば問題は解消できるとの考えを示した。

 打者では20打数2安打で打率1割、投手としても4試合で計17失点と結果が出ていない。通常のマイナー招待選手なら、この時点でカット(マイナー通告)の対象者となる。いまだメジャーに踏みとどまっていることには米メディアも違和感があるのか「開幕25人枠に入れると思うか?」という趣旨の質問も飛んだ。

 それでも大谷は動じない。「一回一回結果を残しにいく。日本でもアメリカでも、その気持ちは変わらない」と言い、別の記者が「マイナースタートの可能性も覚悟しているか?」と畳み掛けても「今の段階で、それはあまり考えていない。一日一日しっかり自分の形を出して、その延長でどうなるかは監督やスタッフが決めると思うので」と話した。

 実は試合前にも、米メディアがソーシア監督に「大谷は米国でまだ実績はないが(メジャー)25人枠入りは決まっているのか?」という“素朴な疑問”をぶつけるシーンがあった。指揮官の答えは「彼の才能は本物であり、我々としては彼を信じている。投手としても打者としてもシーズンが始まってからを考えている」。現時点で重視しているのは防御率や奪三振率といった数字ではなく「体の使い方やリリースポイント、球の回転率など」だと力説した。「彼の内側には闘争心が常にあって、チームを助けたいと思っている。そのプロセスをよく理解しているし、シーズンに向けてやらなければいけないことを知っている。それに対する自信もある」と絶賛するばかりだった。

 大谷もあくまで開幕を見据えている。「不安なく入るシーズンというのは今までもなかった。今年もおそらくある程度、こういうことはあるだろうなとは思います。そういうものは一つでも潰しながら開幕に向けていけばいいんじゃないかなと思う」。確かにその通りだが、周囲はザワザワとし始めている。

【対戦相手のコメント】

 アレナド(1本塁打を含む2安打3打点)=まだ調整中だから判断は難しいが、かなり力強く投げていて、いいと思う。対戦は楽しかった。彼がシーズン中にもっと良くなるのは間違いない。

 ブラックマン(1安打1四球2打点)=狙ったところに投げるのに少し苦労しているようだった。すごくいいストレートを投げていた。今日はあまりシャープじゃなかったってだけかな。

 デスモンド(2回先頭で本塁打)=打ったのはストレート。彼が大変なのは世界中が見守る中でやらなきゃならないところ。でも、彼なら大丈夫だと思う。

<大谷の大量失点と最短降板>日本ハム時代の公式戦でワーストは7失点で2014年9月21日の楽天戦(投球回は5回1/3)、15年8月4日のソフトバンク戦(同6回1/3)、同9月10日のソフトバンク戦(同6回0/3)の3度。最短降板は17年7月12日のオリックス戦での1回1/3(29球、4失点)。ただ、当時は故障明けで球数制限があった。