【フロリダ州タンパ発】ヤンキースの今季の開幕投手争いが混戦模様となってきた。これまで田中将大(29)と昨季チームトップタイの14勝を挙げたルイス・セベリーノ(24)の一騎打ちと見られていたが、実績十分のCC・サバシア(37)も順調な調整で存在感を見せつけている。

 通算237勝のベテラン左腕は13日(日本時間14日)のタイガース戦で4回1失点と好投。その前の登板でも2回無失点だった。7日(同8日)に田中とともに行った実戦形式の投球練習、シミュレーション・ゲームでも自軍の主力相手に3イニングを1点に抑えるなど、着実にステップを踏んでいる。

 田中が加入した2014年から3年間は精彩を欠いたが、昨季は4年ぶりの2桁勝利となる14勝(5敗)をマーク。今季は先発三本柱の一角として期待がかかる。

 日本流に言うなら1980年生まれの“松坂世代”。インディアンス在籍時は、当時レッドソックスの松坂と息詰まる投手戦を繰り広げたこともある。

 松坂はその後、右肩の故障などに苦しんだ末、15年に日本球界復帰。ソフトバンクでは在籍3シーズンで登板1試合にとどまったが、今年は新たに中日と年俸1500万円プラス出来高払い(推定)で契約した。

「周りにどう見られようが、何を言われようが、自分でまだやり切ったと言えるような野球人生だったとは思えない」と燃え尽きるまで投げ続ける覚悟の松坂の姿を、同じ“松坂世代”としてどう感じるか? サバシアを直撃すると「どんなチャンスでもあれば、誰もが可能な限り長くプレーしたいと思っている。彼には健康でプレーできることを願っているよ」と、静かにエールを送った。

 昨季で大型契約が切れてFAとなったサバシアは新たに1年契約を結んだが、年齢的にも勝負のシーズンとなる。数少なくなった“松坂世代”の一人として、その活躍に期待したいところだ。

 そのサバシアと大役の座を争う田中は14日(同15日)、グラウンドでは軽めの調整だった。次回登板は中4日で17日(同18日)のタイガース戦に決まった。