完全復活を期す阪神・藤浪晋太郎投手(23)がパッとしない。オープン戦2度目の先発となった13日のヤクルト戦(甲子園)では、4回途中4安打5四死球6失点(自責0)で降板した。遊撃を守った大阪桐蔭高の先輩である西岡の2失策でピンチを迎えた4回に四死球や安打で一挙6点を失い、予定の5回を投げ切れず「自分のいいタイミング、バランスを出せなかったのが悔しい。2回途中まではよかったが、ズレが出てきてからは修正できなかった…」と肩を落とした。

 先発の4番手として期待していた金本監督にとっても頭の痛い問題だ。指揮官は「(4回に)左打者に引っ掛け始めた。そうなると投げる球が決まってくる。右も左も外ばっかり。ストライクを取るのに四苦八苦というのは…。次回は今日より上がりめを見せてくれないと」と苦言を呈した。フォーム改造の成果を発揮できず、乱調で開幕ローテ入りも黄信号だ。

 周囲もローテ落ちの危機を懸念している。「今日の状態ではローテ入りは厳しい。他に投手がいないならまだしも、他のローテ候補は結果を出している。特に成長著しい才木は監督も買っているし、このままだと初めて年下にローテを譲ることになるかもしれない…」(チーム関係者)。いみじくも「藤浪2世」といわれた2年目・才木はこの日、教育リーグ・中日戦(ナゴヤ)で7回1失点と好投した。

 次回登板の内容次第ではプロ初の開幕二軍が現実味を帯びてくる。名誉挽回なるか。