中日・松坂大輔投手(37)が新天地での本拠地デビューを果たした。4日、楽天とのオープン戦(ナゴヤドーム)に先発し、2回を31球、1三振で2安打2失点。アマダーに被弾こそしたが、直球は移籍後最速となる144キロをマークするなど、調整は順調にきている。

 3万1282人の大歓声を受けてマウンドに上がった松坂は「久しぶりに公式戦さながらの雰囲気で投げさせてもらえて良かった。普通にマウンドに上がれてゲームに投げられたので良かった」と笑顔を見せた。

 この日は随所に“松坂流”を披露した。試合前練習には参加せず、ドーム内でのブルペンなどで独自調整。グラウンドに現れたのは試合開始の約40分前でそこからキャッチボールなどを始めて登板したが「登板日は自分のペースで動いていいということだったので、自分で決めた時間で予定通りに動きました」と涼しい顔で話した。

 2イニング目にはマウンドで首を振るシーンが多発。FA加入した捕手・大野奨との呼吸が乱れたのかについては「違います。あれはサインが出てないのに僕が勝手に首を振っているだけなので」とニヤリ。打者を幻惑する作戦も披露した。

 さらに投球が打者のバットに当たれば、すぐにボールの交換を要求する投手が最近は増えてきた中、松坂はそれを極力しない。2回の先頭のウィーラーを捕邪飛、続く今江に右前打されても、そのまま同じボールを使い続け、この回3人目の岡島の初球がワンバウンドしてやっとボールを交換。交換時間を短縮し、テンポ良く投球する意味もあるが、朝倉投手コーチは「僕も少数派だけど、あまり換えなかった。ボールが変形して(バットの芯を外しやすくなれば)ゴロが多くなるので」と説明した。

 ここまでの手応えについて松坂は「不安なく今はやらせてもらっている。開幕はどうなるか分からないが、このペースでいって大丈夫だなというのは今はある」ときっぱり。平成の怪物は“松坂流”を貫いて開幕ローテ切符をゲットするつもりだ。