【大下剛史・キャンプ点検=DeNA】DeNAの宜野湾キャンプで、なんとも不思議な光景に出くわした。午前中最後のメニュー、野手組のケースバッティングが終わった直後のことだ。裏方さんたちによって打撃ケージやティー打撃などの準備が手際よく進められたが、待てど暮らせど選手が姿を見せない。午後の練習に向けたアップが始まるまでの40分間、メイングラウンドに誰もいない状態が続いた。

 改めて練習メニューに目を通すと、野手は全員揃って12時から12時40分まで「ランチ」となっていた。バックネット裏に居合わせた監督経験のあるプロ野球OBと「この時間がもったいないね」という話をして、2人で首をかしげてしまった。

 普通はどこの球団もランチタイムに合わせて特打が行われる。それこそ打撃ケージが組まれる間にランチタイム特打に指名された選手はティー打撃で体を慣らし、準備が整い次第、フリー打撃に移るのが一般的だ。DeNAではラミレス監督の就任からこのスタイルだそうだが、最も体が動く時間帯に40分間も練習を中断してしまう感覚は、私には理解できない。米球界も知る外国人監督ならではの発想だろう。

 ただ、今も昔も「練習はウソをつかない」ことに変わりはない。豊富な練習量でリーグ連覇した広島がそれを証明している。DeNAは投打とも力のある選手が揃っており、実際に昨年は3位からの勝ち上がりで日本シリーズにも出場した。2年連続Aクラスと着実に力をつけているのも確かだが、一昨年は優勝した広島に19・5ゲーム、昨年も14・5ゲームの大差で後塵を拝している。

 ラミレス監督のやり方にケチをつける気はないし、自分の考えがすべて正しいとも思っていない。秋に私が考え方を改めるべき結果となるのか、楽しみである。