“鬼軍曹”宮本ヘッドがヤクルト再建へ不可欠

2018年02月22日 16時30分

大下氏(右)と話す宮本ヘッド

【大下剛史・キャンプ点検=ヤクルト】ここ5年で4度のBクラスと低迷し、昨季は球団ワーストの96敗を喫したヤクルトが本気で生まれ変わろうとしている。選手たちはヘトヘトになりながらも休むことなくバットを振り続けていた。

 キャンプ初日から10時間の猛練習を課すなど、チーム再建に手腕を発揮しているのがヘッドコーチとして復帰した宮本慎也だ。私の姿を見つけて「どうですか?」と感想を求めてきたので「まだまだだな」と返すと「そうなんですよ」と苦笑いしていた。現役時代に攻守の要として3度の日本一に貢献し、黄金期を支えた男だけに、このチームには何が足りないのかをよく分かっている。

 当たり前のことだが、強くなるには練習するしかない。この苦境から脱するには“鬼軍曹”の存在が不可欠で、卓越した野球理論と頑固さを兼ね備えた宮本なら嫌われ役に徹することもできるはず。こういう生え抜きの優秀な人材が残っているところに、ヤクルトの底力も感じる。

 正直なところ、戦力的に今年も厳しい戦いを強いられるだろう。ただ、目指している方向は間違っていない。セ・リーグ連覇した広島から石井打撃コーチと河田外野守備走塁コーチを招聘したことからも球団の本気度が伝わってくる。屈辱のシーズンを送った直後で選手も“聞く耳”を持っており、最高のタイミングで最適なスタッフが揃ったことも間違いなくプラスに作用するはずだ。

 昨季の敗因はいろいろあるが、2015年と16年に2年連続でトリプルスリーを達成した山田哲の不調も大きかった。メジャーで6シーズンを過ごした青木が帰ってきたとはいえ、あくまで中心は山田哲だ。今年の目の輝きからは、その自覚と責任も感じられた。

 どん底まで落ちたチームが、どう強くなっていくのか。長いスパンで見守っていきたい。 (本紙専属評論家)