【核心直撃】昨季、セ・リーグ連覇した広島では「カタコトの日本語」による通訳でブルペン捕手を兼務するヘンディ・クレートさん(34)がブレークした。地元広島ではスター選手並みの知名度を誇り、街中でサインや写真を求められることも多い。今キャンプでは本業の裏方に徹する一方で、日本語の上達にも励んでいるという。その理由を聞いた。

――クレートさん、取材してもいいですか

 クレート:はい、ダイジョウブ。

 ――英語と日本語、どちらがいいですか

 クレート:日本語で…ダイジョウブ(笑い)。

 ――では日本語で話しますね。昨季、バティスタの通訳が緊張のあまりカタコトになってから、一躍人気者になった

 クレート:もう…ビックリね。ブルペンキャッチャーなのにワタシが注目されて…。信じられない。あの通訳以来、全部、人生変わった。プライベートも。買い物に行くと、み~んなに「写真撮って!」と言われる。広島駅歩いているとみんな「サイン、サイン」と。ワタシ、選手じゃないのにね(笑い)。

 ――でも、悪い気分ではない

 クレート:そうそう。みんなが声かけてくれるの、うれしい。選手やスタッフも日本語たくさん教えてくれるようになった。みんな…優しいね。

 ――普段の日本語は問題ないそうだが

 クレート:普通はダイジョウブ。でも緊張すると…ダメね(笑い)。お立ち台に立つと…わからなくなる(苦笑)。なぜか? 難しいよ。

 ――2007年に来日し、今も日本語を勉強していると聞く

 クレート:今まではブルペンキャッチャー。日本語はそんなに…必要なかった。でも、今は通訳もある。自分から(勉強を)やらないと…ダメね。

 ――選手や関係者は、あなたの日本語が確実に上達していると言う

 クレート:ホント? そう言ってた? うれしい。もっと日本語うまくなりたい!

 ――お立ち台で昨年のように失敗したくない

 クレート:それもある。でも…今年、ドミニカ(共和国)のファミリーが日本に来る。

 ――家族の生活のためにももっと日本語を勉強しておきたい?

 クレート:そうそう(笑い)。たぶん今年の…6月ごろ。妻と男の子2人(5歳と1歳)ね。そのころまでにもっと日本語を話せるようにしたい。家族が生活するために、日本語うまくなりたい。通訳もね。そのためにも…ガンバリマス!