巨人のケーシー・マギー内野手(35)が29日、宮崎での一軍合同自主トレに合流した。外国人選手としては異例の参加で早くも気合十分だが、今季の守備位置は不確定で、若手の台頭待ちの状態。3ポジションの準備に加えて新助っ人の“調教係”で「1人4役」をこなす大忙しの一年が始まる。

 前日28日に米国の自宅から24時間以上かけて宮崎入りしたマギーは、この日から練習に加わり、他のナインとともにメニューを消化した。闘志の表れなのか、そのイデタチは破天荒なもの。防寒対策バッチリのファンが凍えながら熱い視線を送るなか、マギーはTシャツの軽装。これには「俺がバカだった。ここまで寒いとは思わなかった…」と笑うしかなかったが、チームへの合流を早めたのも「優勝を目指したい。キャンプ前に基盤を整えたかった」からこそだ。

 昨年はシーズン途中から不慣れな二塁守備をこなしながら、打率(3割1分5厘)、本塁打(18本)、打点(77)ともにチームトップ。今季も欠かせない戦力となるが、ポジションは流動的だ。球団、現場首脳陣とも若返りを図りたい考えで、二塁は2年目の吉川尚、三塁には若き大砲候補の岡本がレギュラーに定着できるかが焦点となる。このドラ1コンビが定着すれば、マギーを一塁に回すこともできる。要するに吉川尚、岡本がキャンプ、オープン戦を通じてどれだけ結果を残せるかによってマギーのポジションは変わる可能性があり、一、二、三塁でスタンバイする必要が出てくる。

 それだけでも重労働となるが、他にも役割がある。性格難が指摘されるゲレーロの指南役で、マギーは巨人では先輩。昨季は扱いに手を焼いたマイコラス(現カージナルス)を手なずけた“実績”もあり「ゲレーロは日本では2年目だが、中日とは違うだろうし、言葉の違いがある(マギーは英語、ゲレーロはスペイン語)。模範を示すことで教えたい。頼ってこられるような関係を作りたい」と自覚を示した。2018年は昨季以上のフル回転となりそうだ。