澤村起用法めぐり巨人真っ二つ

2013年01月30日 16時00分

ブルペンで投げる澤村を見つめる投手陣

 巨人・澤村拓一投手(24)が、合同自主トレ2日目の28日に初めてブルペン入りし、いきなり49球を投げた。ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)日本代表候補だけに早めの調整が進むなか、注目は原監督が掲げた「抑え転向プラン」だ。首脳陣は適性ありとしたが、当の現場は意見が真っ二つ。物議を醸している。

 

 セットポジションでグラブを肩の高さで構える新フォームで、力強いボールを投げ込んだ澤村は「順調といえば順調。新フォーム? どんなフォームでも結果を残せればいい。新しいことに挑戦するのは野球でも人生でも同じですから」と涼しい表情で語った。

 

 しかし、そんな右腕の周辺は穏やかではない。理由はもちろん原監督の「抑え転向案」だ。この賛否をめぐり、ナインと関係者で意見が二分している。「『先発でいくべき』の意見は、主に選手からが多い」(チーム関係者)というその理由は、6回無失点で勝利した中日とのCSファイナルステージ、そして日本ハムを8回無失点に抑えた日本シリーズでの好投にある。「シーズンとは見違える投球ができたのは、杉内の調整法を参考にしたところが大きい。精神面やルーティンはもちろんだが、大きく変わったのが登板前のブルペン。40球近く投げ込んでから試合に臨むところを、半分に減らした。これが彼の試合中のコンディションに好影響をもたらした。選手は、澤村の先発へのこだわりもさることながら、その姿を間近で見ているから『来年はやってくれるはず』となっているんです」

 

 一方で「抑え転向」に賛成なのが、チームスタッフや球団関係者らだという。「やはり直球に対する考え方が先発を続ける上で厳しいんじゃないか」。あるチーム関係者はこう語った。「本来、先発投手は普段は8割の力で投げ、主にボールの回転や軌道を重視する。そして勝負どころになったら10割の力で抑え込む。引き出しが2つあるわけです。しかし、澤村の場合は初回から10割の直球を投げる意識しかない。引き出しが1つなんです。こうなると球に力がなくなる終盤の勝負どころでは、どうしても打ち込まれてしまう」。力でねじ伏せられる短いイニングこそ適任だと訴える。

 

 本人はというと、原監督との“舌戦”の末「監督、コーチを含めて『ここでいけ』と言われたところでやりたい」と、抑え転向やむなしの構えを見せているが、果たして…。その動向が気になるところだ。