入団テストで中日入りが決まった松坂大輔投手(37)が25日、ナゴヤ球場の屋内練習場で自主トレを行った。松坂に「10勝、20勝しろとは言いません。松坂世代、松坂世代と言われて追っかけてきた連中もいる。言葉で体で後ろ姿でうちの連中に教えてやってほしい」とチームへの波及効果を期待していた森繁和監督(63)。そんな“怪物効果”が早くも表れ始めている。

 松坂はこの日、トレーニングルームでアップを終えると又吉克樹投手(27)とキャッチボールを開始。約40メートルの距離をカーブ、カットボール、チェンジアップなど変化球も交え、強い腕の振りで20分ほど投げ込んだ。

 23日の入団テストは完全非公開だったため中日での投球姿は実質、初お披露目。見守ったチーム関係者からは「全然、投げられるじゃん!」と感嘆の声も漏れた。松坂は「状態はいいと思います。ここ4~5年で一番いい」と納得の表情を浮かべた。

 そんな中、大興奮だったのがキャッチボールの相手を務めた又吉だ。「デニーさん(友利結国際渉外担当=50)から『キャッチボールの相手いる? やってみたら』と言われたので、いい経験になると思い自分から声をかけました。まさかこんなに早いタイミングでキャッチボールさせてもらうなんて思わなかった。『いいボールだね』と言ってもらいました」と野球少年のように感動。「真っすぐが重かった。中日でいろいろな投手の球を受けさせてもらっていますが、こういう球もあるんだと思った。重いものがグラブにぶつかる、手元に残る感じ。球の重さにびっくりしました」と怪物のボールに目を丸くした。よっぽどうれしかったのか、練習後にはツーショット写真をおねだり。さっそく自身のツイッターに上げた。

 松坂の来訪にたまたま自主トレに訪れた昨季のセ・リーグ新人王の京田陽太内野手(23)も大興奮。「えっ! 来られているんですか。何てあいさつしよう。緊張する」と胸を手で押さえると、意を決して近寄り「2年目の京田です!」。あいさつを終えても「すっげー」と興奮は収まらなかった。この日は緊張のあまり二の句が継げず「何を言われたのか覚えていない」ほどだったが、今後は「打撃がいいと聞いたので教えてもらいたい。試合にどう持っていくのかメンタル的なことを聞きたい」と目を輝かせた。

 チーム関係者は「選手もまさか(松坂と)一緒にできるなんて思ってなかったでしょう。これで一生の縁になる。チームが明るくなります」と波及効果を実感。空前の“松坂フィーバー”で中日ナインの雰囲気はアゲアゲだ。