ヤンキース田中将大投手(29)が、中日にテスト合格した松坂の生きざまに自身の思いを重ねた。

 23日に東京から仙台に移動した田中は楽天の本拠地・楽天生命パーク宮城で自主トレを公開。例年自主トレを共にする則本ら楽天ナインと室内練習場でキャッチボールなどを行った。

 昨季は3年連続となる開幕投手を務めたものの、好不調の波が激しく首脳陣の信頼も揺らいだシーズンだった。しかし、ポストシーズンでは圧巻の投球を披露し、存在感を見せつけた。不振に真正面から取り組み、自力で克服した苦労は「財産」として染み込んでいる。「振り返ることはありますけど、基本的には整理もされて自分の頭の中には入っている。それを実行していくだけ」と力強く語った。

 田中が報道陣に対応している間、松坂は入団テストの最中だった。幾度となく手術を受けながらも投げる場を求めるその生きざまは田中にはどう映ったのか。「僕がどういう目線でしゃべるんですか? 松坂さんに対して。しゃべれんですよ…」。最初は困惑していたが「松坂さんがどういう思いでやられているか、僕はわからないですけど」と前置きしつつ、こう語った。

「自分の人生だから、自分の後悔ないように、周りに何言われようが決めるのは僕はいいと思います。僕はそうしたいと思ってます。自分自身の野球人生もそうだし(今後の)人生も…。どこまでやれるかわかんないです。わかんないですけど、自分が納得する形で納得するまでやりたいです」

 誰に何を言われようと燃え尽きるまで――。平成の怪物が見せたなりふり構わぬ姿に、自身の人生観を改めて見つめ直した様子だった。

 狙うは日本人初の4年連続開幕投手の座だ。「もちろん厳しい立場なのはわかってます。もう誰もが(昨季活躍した)セベリーノに期待するところが大きいと思いますから、開幕で僕は結果も残してないし。だから、今までとは違うとは思いますけど、でもそこに向かってやっていきたいとは思ってます」。田中のメジャー5年目が始まる。