阿部の“足元”めぐりメーカー争奪戦

2013年01月31日 16時00分

 巨人の合同自主トレが27日、キャンプ地の宮崎でスタート。外国人選手を除く一軍メンバー33人が集まった。なんといっても注目は侍ジャパンでも主将を務める阿部慎之助捕手(33)だが、その周辺では何やら緊迫したムードが漂っている。阿部の“足元”をめぐり、バチバチとシ烈な争奪戦が繰り広げられているからだ。

 

 チームとワールド・ベースボール・クラシック(WBC)日本代表の「W主将」を務める阿部は、ノックや打撃練習で汗を流し、合同自主トレ初日を終えた。キャンプ直前とあって「始まっちゃったなあ…って感じ。でも思ったよりも体は動いた。これまで自主トレの出足がよくなかったからね」と、グアムでの自主トレで焼けた褐色の頬を緩ませた。

 

 悩まされた古傷の両足首の状態は良好だ。昨シーズンは足首をガッチリ固めたスパイクに履き替えるなど、痛々しさが目立ったが、この日は気にするそぶりもなかった。しかし、その足元にちょっとした異変が。昨年まで契約していたU社ではなく、A社のスパイクを履いていたのだ。

 

 実はU社との契約は昨年末で打ち切り。選手によってバラつきはあるものの、新たな契約開始はシーズン開幕からが多い。空いた期間を使った、単なる「お試し」にも見えるが、そうではなかった。「A社のスパイクに対する周囲の評判を聞いて、慎之助も試したくなったようだ」(球団関係者)。しかも阿部自身もA社のスパイクに好感触を得ていることから、2社による争奪戦の様相を呈している。

 

 阿部が一貫して求めているのは「安定感」で「足首が折れないようにガードしつつ、それでいて捕手の動きにも対応できる、動きやすいスパイク」という、まさに究極といえるもの。自主トレ、キャンプ中はA社のスパイクが中心になりそうで「A社としては、練習で履いてもらいながら阿部の細かいリクエストに応え、WBCまでに最高の状態に作り上げるつもりでいる」(チーム関係者)。

 

 一方のU社も負けていない。これまで阿部の足元を守ってきた実績に加え「キャンプ中だけでなくWBC本番中も、いつ何どきでも形状などのリクエストに応える態勢を整えるようだ」(別の関係者)。WBC期間中、A社は阿部に同行しない一方で、U社は遠征先に同行することも検討しているとか。阿部の足首を守ることは、日本代表の運命を左右するばかりか、ともすれば自社のイメージにも影響しかねない。必死になるのも当然だ。

 

 どちらのスパイクを履くかはまだ決まっていないそうだが、すべては自分の古傷を守るため。阿部からすれば、この争奪戦はありがたいものかもしれない。果たしてWBCでは、どちらのスパイクに足を入れることになるのか。