阪神・矢野二軍監督が「星野魂」継承を誓った。作戦兼バッテリーコーチから新たに二軍指揮官となった闘将・星野仙一氏(享年70)の“教え子”は8日、「このタイミングで自分も二軍の監督という立場になっても、星野さんに教えてもらったことは生きている。今の時代やからこそ逆に気持ち的な部分は大事にしたい。選手のためになると思うから伝えるべきことは伝えていく」と宣言した。

 2003、05年の虎V戦士である矢野二軍監督は中日選手時代、当時の星野監督からトレード放出された一人。「自分の中では出されたから星野さんを倒したいと思ってプレーしていた。それがモチベーションで、残しておけばよかったと思わせたかった。阪神に星野さんが来られた時は、ヘタしたらまたトレードで出されるんじゃないかと、いい意味で緊張感を持ってやれた」と現役時代を振り返る。

 矢野二軍監督は星野氏から中日、阪神と鉄拳を食らってきた最後の経験者。しかし「鉄拳制裁が今は良くないとなっているが、星野さんは投手ではなく捕手に手を出す。自分も殴られて人間やからカチンと来るけど、殴られるというのは気にかけてもらっている証拠と思っていた」。頭にくるどころか、むしろ感謝の連続だったという。身をもって体験した闘将の魂は、脈々と受け継がれていくことになりそうだ。