今年の巨人の開幕オーダーからあの男の名前が消える!? 屈辱のBクラスから巻き返しを図る球団は今オフ、西武からFA宣言した野上を迎え、新4番候補として前中日のゲレーロを獲得した。一方、生え抜きについては鮮明な若返り方針を打ち出している。では現場を率いる高橋由伸監督(42)は、新戦力と若い力をどう絡めていくつもりなのか。チームの現状と指揮官の言葉から浮かび上がる「2018年の巨人」の姿とは――。

 今オフの補強を振り返ると、巨人としては比較的おとなしい結果だったと言えるだろう。目立った補強は野上とゲレーロの2人だけ。マイコラスのメジャー流出と村田の退団を踏まえると、上積みがあるのかは判断が分かれるところだ。

 では、優勝した広島との16・5差をいかに詰めるのか。

 球団が発したメッセージは「あとは現有戦力で戦ってくれ」ということだ。主力の大半は30代。現場としては若手の成長に期待するしかない。由伸監督の言葉にも、悲壮な決意が浮かぶ。

 地獄の秋季キャンプ最終日、指揮官は「岡本は動きがいい悪い、速い遅いは別として、野球をする体力、体の強さはあると感じた」「吉川尚も最後までしっかりついてきた。春のキャンプ、オープン戦もしっかりやってくれたら、楽しみな一人になる」と2人の若手の名前を挙げた。

 指揮官だけではなく、球団全体の期待が今、この若きドラ1コンビに注がれている。

 コーチの一人は「サード岡本、セカンド吉川尚でいかなきゃ、ウチに未来はない。キャンプとオープン戦の結果次第になるけれど、開幕から同時起用も十分あるんじゃないか」と話す。

 では2人が期待通りの成長を示した場合、来季の開幕オーダーはどうなるのか。新戦力のゲレーロの「4番・左翼」はほぼ当確。中堅・陽岱鋼、右翼・長野は動かせないだろう。問題は内野だ。

 遊撃の坂本勇は不動。三塁に岡本、二塁に吉川尚を据えるなら、マギーの行き先が一塁しかなくなる。前出のコーチは「マギーは外せるわけがない。そうなれば慎之助を代打に回すことになる。本当に若いやつらが出てきたなら、監督は迷わずそうするだろうね」と言い切った。

 阿部はルーキーイヤーの2001年以来、故障以外の理由で開幕オーダーから外れたことはない。だが若手の台頭は、阿部自身が望むことでもある。今オフは「若い子たちが『はい、阿部さんは代打に行っててくださいね』っていうくらいじゃないと、巨人は強くならない」とも語っていた。

 巨人の開幕オーダーに阿部の名前はあるのか。このチームの未来は、まずそこから見えてきそうだ。