【プロ野球大将 制球難の大将:藤浪晋太郎投手(阪神)】もともと制球力で勝負するタイプでもない。これまで2015年と16年は“与四球王”、14年と15年は“与死球王”になっている。197センチの長身から繰り出される最速160キロの直球が、どこに来るか分からないのだから打者にとっては恐怖で、藤浪は荒っぽさを武器に白星を重ねてきた。

 しかし、今年は度が過ぎた。今季初登板となった4月4日のヤクルト戦では5回9四死球の大乱調で、畠山の左肩付近への死球は乱闘にも発展。矢野作戦兼バッテリーコーチ(当時)とバレンティンが退場処分となる騒動に発展した。

 そこから4連勝して立ち直りの兆しを見せたかと思ったら連続KOで首脳陣の信頼を失い、5月27日に成績不振では初となる二軍落ち。復活を期した8月16日の広島戦でも大瀬良、菊池にぶつけて5回を投げきることなく降板。8月27日の巨人戦でも6回無失点と好投しながら、村田への死球をきっかけに3失点するなど、自身5連敗でシーズンを終えた。

 1日の契約更改交渉では「今年の成績では何も主張できません」と2年連続のダウンとなる4000万円減の1億2000万円(推定)でサインした。来季は生まれ変わった姿を披露することができるのか。虎党ならずとも注目だ。