中日のベテラン・荒木雅博内野手(40)が打撃力アップへ秘蔵モデルのバットを復活させる。18日、野球バットを製造する岐阜県養老町の「ミズノテクニクス」を訪問。その手には2001、10年の2年間使用したバットが握られていた。

 長さは現在のバットよりも半インチ短い33インチ、重さは900グラム前後と10グラムほど軽い。来季からはこのバットに変更するという。「軽くて短くて扱いやすい。このバットでまたバッティングをやりたいなぁと思ってずっと手放さずにいた」

 このバットを使用した01年は規定打席こそ到達しなかったが272打数92安打で3割3分8厘の高打率。本塁打もシーズン最多タイの4本を放った。10年も打率2割9分4厘でキャリア2位の数字といずれも好成績を残した。

 このバットではグリップエンドに左手をつけるため「支点があって振りやすい」との利点がある。ただバントなど小技には不向きで「安心感に走ってしまった」と、いずれの年もわずか1年でグリップエンドを余して握る現在のモデルに替えていた。

 しかし、もう守りには入らない。8年ぶりに復活させる秘蔵バットで23年目シーズンに臨む大ベテランがさらなる進化を見せつける。